川崎市 陽光園 PDF 印刷 Eメール

総括

評価機関名福祉サービス第三者評価機関しょうなん 株式会社フィールズ
評価実施年月平成198月~平成203
公表年月平成206
対象サービス知的障害者授産施設(入所)
対象事業所川崎市 陽光園

総合評価

 

<優れている点>

  

1.地道な自立支援活動

  

グループホームへの移行希望を高めるように、利用者の個室居住を体験したり、利用者に合意を得て努力目標設定して、自立を支援しています。退所後のアフターケアは、相談日を設けて過去の利用者と家族から相談を受けたり、卒園者が入居したグループホームを職員が輪番制で訪問するなど、退所後の自立生活の継続にも力を入れております。

  

2. 利用者の個別の希望に対応する努力

  

多岐に及ぶ意向抽出の仕組みにより、利用者の意向を引出し、その実現に努力しています。個別支援計画作成前には「利用者アンケート」と「個別面談」を行い、「食事嗜好調査」、同室居住者との相性確認のための「居室アンケート」を、それぞれ年一回実施して、個別の要望を確認しています。更に、隔月に外部相談員による個別相談、利用者自らが自治会や利用者の会を運営することは不可能なので、職員がリードする相談会形式で、毎週末に、意見や希望を聴き出す機会を持っています。また、家族会を隔月に開催して家族の意向も聴取しています。

   

<独自に取組んでいる点>

  

1.外出の機会の積極的な提供

  

ボランティアのガイドヘルパーを利用し、スポーツ観戦、コンサート、映画、買い物、旅行などへの利用者の外出希望に応じ、時には、職員が有給休暇を取って自発的に遠隔地外出に同行しています。

  

2.古い建物の中での工夫

  

老朽化した建物構造での狭隘な居室生活ではプライバシー確保が不十分なので、個室居住の機会を提供したり、喫茶談話室・静養室・多目的ホールなどの「くつろぎ」の場所を備えて、不足を補おうとしています。

   

<改善が望まれる点>

  

1. 仕事の標準化を目指した書類の整備と記録の慣習づけ

  

課題として、会議や打合せの記録の整備、事故やヒヤリハットを含む個別対応行為を利用者別に記録に残すように職員をルールづけることが必要です。また、各種の生活支援サービスに関する手順書・マニュアルの充実、並びに、その内容の定期的な点検・改編などを行い、仕事の処理に一定の標準化を確保する努力が望まれます。

  

2.個人情報の管理の徹底

  

マニュアルなどを整備して、個人情報が含まれた記録や書類の管理とともに、パソコンの保管に関して、機密保持の観点から、現状を見直すことが望まれます。

  

3.施設独自の職員研修

  

職員の研修が、専ら、市の標準的な研修と自主研修に委ねられていますが、非常勤職員も含めた職員の動機付けを図るためにも、当施設独自の計画的な研修も実施されることが望まれます。

  
評価領域ごとの特記事項(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)
1.人権の尊重 

①8畳4人部屋の標準居室では、プライバシー確保に不備がありますが、その他の日々の生活面での利用者のプライバシー保護の基本は適切に実践されています。

  

②体罰、虐待は確実に排除され、身体拘束も極めて特殊な性癖のある利用者を除いて行われていません。職員の利用者へ言葉遣いもしっかりと留意されています。同性介助は徹底しています。

  

③外部の第三者委員の定期的な施設訪問による面談の機会が、利用者により有効に利用されています。

 

④テレビ、卓球台、パソコンなどの設置されている多目的ホールに加え、談話室、面談室、静養室の他に、週2回昼休み時間にボランティアの世話で利用者が輪番制で喫茶室を運営するなど、「利用者のくつろぎ」に配慮が為されています。

 

⑤利用者の個人情報ファイルやパソコンの保管状況は改善する必要があります。

  
2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 

①多彩な利用者意向調査が定期的に実施され、そこで得られた情報に基づき、職員の間で利用者の意向が木目細かく検討され、具体的な個別支援が施されています。

  

②食事は、利用者の嗜好を反映する工夫をし、入浴も毎日可能です。理美容や衣服購入は利用者の選択に任せていますが、時には、職員が相談に応じています。

  

③利用者個人の新聞・雑誌の購買は自由であり、テレビの個人所有も可能です。飲酒は所定の場所で楽しむことが可能で、場合によっては、職員が居酒屋に同行することもあります。喫煙は、個々人の状況に応じ職員が管理する中で喫煙所で吸っています。

  

④外部グループホームへの移行意欲を高めるように個室利用の機会を設け、グループホーム利用情報の提供と移行への努力目標の設定を含め、自立への利用者支援に努力しています。

  

⑤個別の外出希望に積極的に応じています。ボランティアによるガイドヘルパーの利用に加え、時には、職員が有給休暇を取って自発的に遠隔地外出に同行することがあります。

  

⑥利用者自らが運営する自治会や利用者の会は成立しにくいので、職員がリードする相談会形式の意見抽出の機会が持たれています。

  
3.サービスマネジメントシステムの確立 

①各種の利用者の意向を調査・聴取することが制度化し

 ています。

  

・年1回「居室アンケート」で同室居住者との相性に配

  

・月例の給食会議と年1回の食事の嗜好調査で食の満足度向上

  

・毎年4月に個別支援計画見直しのための全利用者アンケート

 

 

・週1回全利用者と職員の間の話合いの機会  

 

・隔月に、第三者委員が来所し、利用者と面談

  

②支援者会議は、毎週1回、加えて、適宜、男女別支援会議を持ち、サービス内容の課題や問題が検討されています。

  

③グループホームの生活に移行した際に、利用者が戸惑わないように、当施設の生活習慣やシステムの特異化を回避する視点から点検しています。

  

④苦情解決は、苦情解決規定に基づいて為されており、苦情取り扱いの手順や担当者と第三者委員名が明示されています。

  

⑤発生した事故やヒヤリハットなどの問題やイベントについての事実記録の整理が不十分です。生活支援関連の手引書やマニュアルの種類も少なく、見直しの頻度も低いのも、施設運営の課題です。

  
4.地域との交流・連携 

   施設主催の「夏祭り」と、家族主催の「陽光園バザー」が毎年催されています。「太鼓クラブ」(クラブ活動)が地域プラザで演奏したり、地域の要望に応じて発表しています。

 

   稀に、利用者が万引き事故を起こすことがあるため、近隣商店などとの関係良化に努力が注がれています。

 

   それ以外の、地域との交流・連携は、当施設の自主性は限られている傾向が見られます。

 

   利用者の個別の外出に、ボランティアがガイドヘルパーとして頻繁に利用されています。

 

   上記の施設主催のイベントを含め、ボランティアや実習生を積極的に受入れていますが、関連規定を整え、かつ、受入れ記録も備えられることが望まれます。

 

⑥ 障害者関係施設事業協会、社会福祉協議会、障害者生活支援センター、障害者更生相談所、関係医療機関、グループホーム等の関係機関を把握し、連携取る体制を整え情報交換を行っていますが、災害や事件発生時の地域・周辺地域との連携体制を整え、定期的に確認する必要があります。

  
5.運営上の透明性の確保と継続性 

   理念と基本方針の職員レベルでの理解度は良好ですが、利用者や家族への周知のために、館内に掲示したり、施設パンフレットなどに記載することが望まれます。

  

   事業計画書は年初に全職員に配布・説明され、中間期に、進捗状況の確認がされており、職員の理解も得られています。

  

③ 当施設を含む周辺障害者関連福祉施設の再編・整備計画が、当面の中期計画になっていますが、その内容についての職員と家族への周知は出来ています。

 
6.職員の資質向上の促進 

   常勤職員の研修は、主として、市の標準的な研修と自主研修での自己研鑽に委ねられています。実施された研修の記録も整っていません。

  

   非常勤職員の研修は手薄になっている懸念があります。

  

③ 職員の資質向上への配慮は、人事評価表に基づく評価

 や日々の業務指導の際の口頭説明に限られているよう

 です。 
評価詳細(PDF 110 KB