《特に優れている点》 1.利用者の作業能力に応じた個別支援計画を作成し、利用者の作業意欲を高めています 平成20年度事業計画の重点目標に、ケアマネジメント方式による個別支援計画策定を掲げ、利用者の個別ニーズを把握し長期・短期のケア目標を明確にしています。個別支援計画は個別賃金評価表をもとにして、利用者の生活面、就労面、実習面におけるニーズを反映して作成します。個別賃金評価表は生活能力と作業能力の基本項目26項目を4段階で評価したもので、ボールペンの組み立てやポプリの作成など、作業種別ごとに利用者の目標管理のデータにします。個別支援計画は3か月ごとにモニタリングし、結果をモニタリングシートに記録します。モニタリングシートは、長期・短期の目標、直近3カ月のケース記録の特記事項、面談時の利用者意向、担当職員の意見や支援方針などを記述し、個別支援計画の見直しに活用しています。 2.利用者の工賃アップに積極的に取り組んでいます 平成20年度に神奈川県が主催する「かながわ工賃アップ推進プラン」に応募し、工賃アップモデル事業として、パン工房の売上拡大を目指して活動しました。マーケティングコンサルタントの外部専門家に相談し、パン製造の収支バランスに注目してパッケージを工夫するなど製品の付加価値を高める活動を推進しました。その結果、平成20年度には前年比50%増の収入拡大を達成しました。毎月1回開催の職員会議で利用者の能力に応じた作業のあり方を話し合い、一人ひとりの工賃アップについて検討しています。パン工房ではさらなる売上拡大を検討しており、近々オーブンを増設してパンの製造能力を2倍に高めることにしています。 3.目標管理による職員のモラールアップに取り組んでいます 平成19年度から全職員を対象にした目標管理制度を採用しています。平成20年度の事業報告書には、目標管理制度で職員が業務の自己管理と自己統制のマネジメントに取り組み、福祉の専門職としての能力向上を図ったことが記述されています。年度初めに正規職員、契約職員含め全職員が年間目標を目標管理シートに記述し、年3回の管理者との面接を通して達成度を評価するしくみになっています。職員と管理者の面接は、施設の現場で起きている課題や改善点について率直な意見を交わす場にもなっています。平成21年度10月の中間面接では、職員間の意思疎通に課題があることがわかり、夕方ミーティングの厳守など、職員の作業に取り組む姿勢やコミュニケーションの改善を図るなどの対策を講じました。 《さらなる取り組みを期待する点》 1.各種マニュアルの活用と見直しを期待します 作業マニュアル、日常生活支援マニュアル、緊急時対応マニュアル、苦情対応マニュアルなど、各種マニュアルを整備しています。しかし、マニュアル作成後の変更や細部の不足などについての加筆修正、及びマニュアルの活用については十分とは言えないようです。職員全体で定期的なマニュアルの見直しを行うことで、内容の把握と活用の徹底につながることを期待します。 2.地域に対して「障がいの理解について」のアプローチを継続していくことを期待します 利用者の通所時、外部作業や活動時、地域住民の来所時など地域との接点が多い施設です。通所時の利用者が私有地に入り地域住民から苦情をうけたことがありました。地域に向けた講演や地域団体との交流などを活発に行うことで、地域住民の施設への協力・連携体制をつくり、障がいを持つ人たちへの住民の理解を深めることにつながることを期待します。 3.利用者・家族の総合満足度アンケートの実施を望みます 個別支援計画の見直し時にモニタリングを行い、利用者が施設のサービスに満足しているかを確認しています。また、家族会の開催についての家族アンケートを実施するなど、個別案件についてのアンケートを実施しています。しかし、施設運営や職員の対応など、サービス全体に関する満足度の調査は実施していません。利用者や保護者に対する施設運営やサービス全般に関する満足度調査を行い、一層のサービス改善につなげることを望みます。 |