KFJ多摩はなみずき<多摩区> PDF 印刷 Eメール

総 括

評価機関名株式会社 学研R&C
評価実施年月20096月 ~ 20103
公表年月20103
対象サービス知的障害者授産施設(通所)
対象事業所社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団 KFJ多摩はなみずき
所在地214-0014 川崎市多摩区登戸2249-1

総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

《特に優れている点》

  

1.利用者の作業能力に応じた個別支援計画を作成し、利用者の作業意欲を高めています

  

   平成20年度事業計画の重点目標に、ケアマネジメント方式による個別支援計画策定を掲げ、利用者の個別ニーズを把握し長期・短期のケア目標を明確にしています。個別支援計画は個別賃金評価表をもとにして、利用者の生活面、就労面、実習面におけるニーズを反映して作成します。個別賃金評価表は生活能力と作業能力の基本項目26項目を4段階で評価したもので、ボールペンの組み立てやポプリの作成など、作業種別ごとに利用者の目標管理のデータにします。個別支援計画は3か月ごとにモニタリングし、結果をモニタリングシートに記録します。モニタリングシートは、長期・短期の目標、直近3カ月のケース記録の特記事項、面談時の利用者意向、担当職員の意見や支援方針などを記述し、個別支援計画の見直しに活用しています。

  

2.利用者の工賃アップに積極的に取り組んでいます

  

   平成20年度に神奈川県が主催する「かながわ工賃アップ推進プラン」に応募し、工賃アップモデル事業として、パン工房の売上拡大を目指して活動しました。マーケティングコンサルタントの外部専門家に相談し、パン製造の収支バランスに注目してパッケージを工夫するなど製品の付加価値を高める活動を推進しました。その結果、平成20年度には前年比50%増の収入拡大を達成しました。毎月1回開催の職員会議で利用者の能力に応じた作業のあり方を話し合い、一人ひとりの工賃アップについて検討しています。パン工房ではさらなる売上拡大を検討しており、近々オーブンを増設してパンの製造能力を2倍に高めることにしています。

 

 

3.目標管理による職員のモラールアップに取り組んでいます

  

    平成19年度から全職員を対象にした目標管理制度を採用しています。平成20年度の事業報告書には、目標管理制度で職員が業務の自己管理と自己統制のマネジメントに取り組み、福祉の専門職としての能力向上を図ったことが記述されています。年度初めに正規職員、契約職員含め全職員が年間目標を目標管理シートに記述し、年3回の管理者との面接を通して達成度を評価するしくみになっています。職員と管理者の面接は、施設の現場で起きている課題や改善点について率直な意見を交わす場にもなっています。平成21年度10月の中間面接では、職員間の意思疎通に課題があることがわかり、夕方ミーティングの厳守など、職員の作業に取り組む姿勢やコミュニケーションの改善を図るなどの対策を講じました

  

 

       

《さらなる取り組みを期待する点》

  

1.各種マニュアルの活用と見直しを期待します

  

 作業マニュアル、日常生活支援マニュアル、緊急時対応マニュアル、苦情対応マニュアルなど、各種マニュアルを整備しています。しかし、マニュアル作成後の変更や細部の不足などについての加筆修正、及びマニュアルの活用については十分とは言えないようです。職員全体で定期的なマニュアルの見直しを行うことで、内容の把握と活用の徹底につながることを期待します。

  

2.地域に対して「障がいの理解について」のアプローチを継続していくことを期待します

  

   利用者の通所時、外部作業や活動時、地域住民の来所時など地域との接点が多い施設です。通所時の利用者が私有地に入り地域住民から苦情をうけたことがありました。地域に向けた講演や地域団体との交流などを活発に行うことで、地域住民の施設への協力・連携体制をつくり、障がいを持つ人たちへの住民の理解を深めることにつながることを期待します。

 

 

 

 

3.利用者・家族の総合満足度アンケートの実施を望みます

  

   個別支援計画の見直し時にモニタリングを行い、利用者が施設のサービスに満足しているかを確認しています。また、家族会の開催についての家族アンケートを実施するなど、個別案件についてのアンケートを実施しています。しかし、施設運営や職員の対応など、サービス全体に関する満足度の調査は実施していません。利用者や保護者に対する施設運営やサービス全般に関する満足度調査を行い、一層のサービス改善につなげることを望みます。

            

評価領域ごとの特記事項

1.人権の尊重

「はなみずき」の職員倫理綱領とKFJ多摩行動規範が作成されています。そこには、一人ひとりをかけがえの無い存在として尊重することなどが記されています。また、人権擁護に関する研修を積極的に開催しています。複合施設の共通研修で、所長が講師となり、福祉サービスにおける利用者の人権擁護に対する最大限の配慮について説明し、職員の人権擁護意識の強化を図っています。

 

法人としてのプライバシーポリシーを定めホームページに掲載しています。プライバシーポリシーには、個人情報の重要性を認識し、自主的ルール及び体制を確立し利用者の権利を保護することを謳っています。個人情報保護マニュアルを作成し管理責任者が園長であることを明記し、また、利用者に関する個人情報の種類を明示し、利用目的を規定し職員に周知しています。

 

 

職員同士が相互に不適切な言動や行動をチェックし、人権侵害が無いよう注意しています。また、全職員が神奈川県の人権チェックリストを記載し、自己チェックを行い注意を喚起しています。

 
2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

利用開始にあたり、生育暦や排泄、食事、移動、コミュニケーションなどについて本人の状況を把握し、利用者ニーズをアセスメント票に記載し、個別支援計画に反映しています。個別支援計画の見直し時にモニタリングを行い、個別支援の成果に対する利用者の満足度を確認しています。

 

就労支援についてのマニュアルが作成され、支援の流れがわかるようになっています。就労支援のため、毎年、ハローワークと市が開催する合同面接会に職員が同伴し、また、企業就労の体験に職員が同伴して就労体験を支援しています。

 

アセスメントに基づき、栄養士、看護師と給食担当が毎月給食会議を開催し、個々の状況に応じて食事を提供します。毎月1回はセレクトメニューで利用者は2つのメニューから選択が可能です。毎週火曜日に「はなみずき」のパンが出ます。

 
3.サービスマネジメントシステムの確立

個別支援計画の策定にケアマネジメント手法を取り入れています。年度ごとの重点目標を定め、目標管理制度を採用し職員は意欲的に職務を遂行しています。賃金評価表を活用し利用者の作業能力を詳細に把握し、利用者一人ひとりの個別作業支援を実現しています。神奈川県主催の「かながわ工賃アップモデル事業」に取り組み、パン工房の売上50%増を達成しました。

 

利用者データ管理システムを導入し、個別支援計画、モニタリング記録、ケース記録等の情報をPCで一元管理しています。職員は容易に関連するデータを確認しながら利用者支援が可能です。データはパスワード管理で保護されています。

 苦情対応マニュアルを整備し、案件ごとの責任者と担当職員、利用者への回答の記述について規定しています。重要事項説明書及び契約書に迅速に苦情に対応すること記述し、また、苦情窓口と第三者委員の連絡先を明記し利用者・家族に周知しています。 

 

4.地域との交流・連携

地域交流活動としては、会議室の地域住民への貸出、たまパサージュへの参加、パン工房でのパン販売を通じた交流や地域イベントへの参加、KFJ多摩まつり開催などがあります。積極的に地域との交流をもち、施設の理解を得るよう努力しています。

 

地域の内科医、学校の進路担当、更生相談所、福祉事務所、就労援助センターなどと常に連携を図っています。仕事センター検討委員会に出席し、また、川崎市が主催する心身障がい者と家族の「手をつなぐ体育祭」の運営委員を務めるなど関係機関との連携を深めています。

 

  地域住民に対する「障がいの理解」へのアプローチを継続し、より施設に対する住民の理解が深まることを期待します。 

 

5.運営上の透明性の確保と継続性

KFJ多摩としての職員行動規範を作成し、倫理、信条、尊敬、自主自立、目標の各ポイントごとに職員の行動指針を示しています。理念を明記したカードを作成し全職員に配布し、また、ホームページに複合施設「KFJ多摩」の基本理念、職員規範、個人情報保護に関する基本方針等を掲載しています。法人の年度ごとの事業計画、事業報告及び収支予算・決算情報をホームページに開示し、重点課題と課題に対する実績を掲載しています。

 

 外部監査による自主監査を定期的に実施しています。平成21年度は11月に監査法人の監査を受審し、施設の会計業務を精査しました。また、法人内全施設・全事業を対象に3年ごとに内部監査を実施し、関係法令・法人規定に基づいて適切に処理されていることを確認しています。 

 

6.職員の資質向上の促進

職員行動規範に期待する人材像を明示し、職員の専門性向上への意識づけに力を入れています。職員に複合施設の共通研修への参加を義務付け、所長が講師となり人材とサービスの質の向上を図っています。また、事業グループごとにチームを編成し年度ごとの活動目標を設定し、年度末に職員研修発表会を開催し活動の成果を発表します。複合施設の特徴を活かし、福祉サービスの専門性の向上を図り、広い視野をもった福祉人材の育成を目指しています。

 

 法人の人事管理制度により自己の目標や仕事に対するモチベーションの維持を図っています。施設独自の目標管理制度は自己の目標・研修・チーム力等の向上を目指し、継続による効果を上げています。 

 

   
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