幸 区 古市場保育園(公立) PDF 印刷 Eメール
評価機関名株式会社 R-CORPORATION
評価実施期間平成 18 年 11 月 ~平成 19 3 月
公表年月平成 19 年 3 月
対象サービス保育所
対象事業所古市場保育園

 

 

総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

 優れている点として、運営改善への取り組みとして、行事などについては、担当を決め、企画から反省まで、一環して行う体制作りを行なっています。夏祭り、運動会、遠足等の行事の際は、保護者にアンケートを配布し、結果を分析してフィードバックするよう努めています。日常業務の効率化への仕組みの特徴としては、クラス複数担当体制が挙げられます。クラスの運営については相互に有効な方法を見出し、研究をするよう指示され、会議で報告を行い常に問題意識に取り組んでいます。書類については、常に簡素化、一本化を検討するように努めています。運営改善の課題については、職員で小グループのミーティングを開き、利用者の声を聴き、厳しく問題点を出し合い、PDCA(プラン・ドー・チェック・アクション)にて改善に努めています。

 

 保育内容については、子ども一人ひとりに向き合い、子どもの目線でわかり易く年齢にあった言葉遣いで話をするようにし、ゆとりを持って接するよう努めています。せかす言葉や制止する言葉を不必要に用いることは99%ありません。今後も判断基準に誤りない様努める姿勢を強めています。子どもに対して感情や言葉を受け入れられるよう努め、「あとで」という言葉を出さないよう工夫しています。また、子どもの感情や苛立ち等を理解し、表現を汲み取り、適切な援助及び対応をしています。新入児については、本人の好みを事前に伺い過ごしやすいよう環境に心配りが行なわれています。基本的な生活習慣については、自主性を大切に、子どもの意欲を育てるように努めています。朝夕の保護者との会話や連絡ノートを使い、日々保護者とコミュニケーションを図り、子どもの状況に応じて連携を図りながら対応しています。排泄の自立については、強制せず、子どものリズムに合ったタイミングを見計らいながら誘導し工夫に努めています。入眠時では、本の読み聞かせなどして安定させ、眠れる気分に誘っています。子ども達の興味・関心への工夫に関しては子ども達の自主性を尊重するため臨機応変に必要に応じ職員間で連携を図りながら保育プログラムの変更に対応しています。季節に応じた行事では、年間行事に計画立案し、実施されています。玩具や遊具については、質量ともに不足気味です。玩具表をリストアップし、既存の活用を図ると共に不足分を補充するよう来年度購入玩具の予定が決められています。遊ぶ素材等は子ども達が取り出せるよう設定され、遊びたい気持ちを大切にした保育に取り組んでいます。また、子ども達が自発的に好きな遊びに集中できるように限られた環境の中でよく工夫されています。身近な自然や社会と関わる取り組みとしては、近隣に多摩川土手や河川敷、公園が多く、遊びの目的によって活用され、伸び伸びと触れ合う機会を作っています。また、身近な自然を利用した遊びを工夫し子ども達の興味を引き出す工夫がされています。動植物と接する機会において、身近な生命や栽培物、散歩道出会う犬や猫にしても触れ合う機会を大切し、やさしさ・慈しむ心を育てる機会に努めています。また、道すがら出会う近隣の地域の方との出会いを大切にし、交流が図れるよう職員が率先しては配慮しています。

 

 毎日の保育の中では、食事の際などでも数や量を意識的に触れるよう機会を設け工夫をしています。社会体験の機会では、年長組に限り、老人会や他園の子ども達と交流する機会を設け社会性を身につけ機会がありますが、他年齢の子ども達にも同様にできれば上下に対する思い遣りや気配りの機会が増えるのではないかと思われます。

 

様々な表現活動については、体育集会の年間計画を立て運動面で意識的な取入れを行なっています。また、様々な楽器(和太鼓、三浦ぶち合わせ太鼓等)に親しみと工夫を行い、遊ぶ素材については、子ども達が自由に遊びたい気持ちを尊重し工夫がされています。身体を使った遊びでは、縦割り保育による3人家族や体育集会や盆踊りを目指した活動を取り入れています。日常保育では、午睡の前、布団に入ってから4、5歳児では絵本の読み聞かせや、3歳児では紙芝居を見せています。また、自由遊び時に希望する子どもには読み聞かせをしたり、家庭に絵本の貸し出しをしたりし相乗的な取り組みが見られます。子どもの作品はクラス内での掲示やギャラリーに展示し、子どもが作品に愛しさや大切な気持ちを育てる保育がされ、保護者へも発達段階を見る目安として大切に扱われています。保育では、乳児期より子どもの気持ちや思いを汲み取り、必要な言葉を補うなど、保育士とのやりとりで積み重ねられ少しずつ自分なりの表現が行なえるよう援助をしています。遊びや生活を通して、子どもの人間関係を深めることを第一に考え、「相手の気持ちへの気づき・思い遣る心」を教え、育まれています。また、良い点を褒め、受け入れられる心地よさを体感させる導きを行なっています。喧嘩の場面においては、約束・ルールを持ち、保育士が仲介となり子供同士解決する場を経験させていくことを大切にしています。また、社会的なルールを認識してもらう為に生活を通して子ども達で考え、自分達で決めることや約束やルールを守り「がまん」することを援助しています。社会性に関しては、異年齢の交流や地域の方との交流を通し伝統的な遊び、文化に触れ、身近に教えを頂く場を機会として身につけられるよう援護しています。子どもの人権については、自分の気持ちをはっきり伝えられるよう、保育士は傾聴し、受容し、尊重を行なうことにより配慮に努めています。昨今、家庭環境の複雑化に伴い、子どもの心身の状態や家庭習慣等については必要な情報は職員で共有を行い、適時対応を心がけています。外国籍の子どもに関しても、状況を把握し、共通認識を図るよう努めていますが、文化や慣習等を、身を持って知る機会を積極的に得ていくとより理解が深まるものと思われます。子どもの人権の配慮・尊重への取り組みに関しては、年1回話し合いを持ち、職員のみではなく保護者に対しても話し合う機会を持ち、啓蒙しているが、父兄の意識への温度差は否めない所もあり、伝達の仕方等を工夫し園・父兄共に共通認識が図れるよう努力されることを期待致します。外国人市民の子どもの人権に関しては、入園の際に意向を尊重し、園生活に支障ないよう配慮され、コミュニケーションを図るよう努められていますが、外国人の保護者へ文書における伝達等を考えると、より園の真の理解が深められるよう通訳を介し話し合いが持てると相互理解とより積極的な関係が作り上げることができるのではなるのではないかと考えます。性差については、言葉かけにおいても性差を意識して保育することはありません。色やキャラクターにおいても男女の役割、選択において子ども達へ固定観念を持たないようにしています。しかし、保育者同士で声を掛け合い配慮していても、無意識にという面では満点ではないという意見も聞かれました。保護者に対しては、懇談会、面談等を通じ理解を促しています。乳児保育の環境配慮については、授乳・離乳食では家庭、担任、兼務栄養士が連携を密にとり、一人ひとりに配慮がされています。生活リズムに関しても、個人の発達状況に合わせて環境を整備するよう努めています。また、天気の良い日は勿論、11回は体調を考慮しながら戸外に出る機会を作っています。あやし、触れ合い等、保育士は言葉へ関連付けるよう優しい言葉であやしたり、抱いたり、ゆったりとした一人ひとりへの対応に努めています。また、睡眠の際は睡眠チェック表を15分おきに確認する等、気配り・心配りのある保育が行なわれています。

  乳児保育は特定の保育者が当たり、不安解消や人見知りの子どもへの配慮に気をつけ、また、応援保育者の体制も整い、交替の際には、引継ぎ表を活用し連絡漏れのない様適切に行なわれています。長時間保育の環境整備については、「くつろげる」ことを目標に置き、対応しています。また、雰囲気作りにも工夫と配慮がなされています。長時間保育は縦割り保育となっており、遊具も11で遊べるものを使っています。乳児の延長も行なわれています。職員が引き継ぎをする場合は、チェック簿により確認し、一人ひとりの状況を把握するよう努めています。障害児保育の環境整備に関しては、入園後において保護者とコミュニケーションをとることを心がけ、職員全体でバックアップ体制をとり、子どもとも信頼関係を築けるよう努め、障害児用の月計画と記録の様式を使用し独自に合わせて保育計画を立て、都度、見直しを図り、特に障害児との係わり如何に持つかを考え、園・子ども同士においても理解するよう努めています。また、トイレの一つにスノコを敷き素足で入れるよう工夫を施し整備に考慮し、保護者に適切な情報を伝え理解を得るよう連携を図りながら環境を整えています。障害児保育に携わる保育担当者は障害児保育に関する研修に積極的に参加し、知識と理解に努めています。

評価領域ごとの特記事項

   人権への配慮 

・保育士は一人ひとりの子どもの気持ち、思いを尊重し、自分は受容されているという思いを育むよう接しています。また、様々な社会要因による家庭での状況及び情報を職員が把握し共有化に努め配慮されています。外国籍の子どもについては、子供同士、職員についても共通認識を図り、食・生活習慣などの意向を尊重し、生活に支障のないよう努めています。外国市民の父母においても、職員の配慮及び保護者同士のコミュニケーションに対しても懇談会や父母会において相互機会に考慮がされています。園では子どもの人権について、職員が年1回話し合いの場を持ち、人権について意識を高め、保護者に対しては、パンフレットを配布する等、取り組みを行なっています。また、性差については、職員は固定的な先入観をもたず、子どもに色の選択や行事での役割分業等においても個人を尊重するよう配慮がされていました。

 

・プライバシーの保護については、職員間で周知徹底が図られ、個々のプライバシーを守る取り組みがなされています。保護者の相談においても、細やかな配慮を行なっています。

 

・虐待の防止への取り組みについては、保育士は日々保育の中で子どもの様子や状況のチェックを行い、少しでも疑われる要因がある場合は速やかに園長に連絡を取り、関係機関と連携が図れる体制にあります。また、早期発見においては、保育士はマニュアルを常備し、保護者へも配布がされており、充分な取り組みの基、保育に努められています。

 

・生活の場としての環境整備に関して、教室は自然光が入り健康的な空間と換気にも気を配り、環境管理マニュアルに基づきチェック簿で管理が行なわれ清潔に保たれています。また、用務における年間計画により、屋外の衛生面・安全面についても快適に過ごせるよう環境に配慮がなされています。園生活では、子ども達の寛ぎと落ち着きに考慮がされ、生活場面においても、自然や生き物を通し、生命・感性・想像力の育くみに力が注がれていました。活動の場では、園庭以外にも隣接の公園を活用し伸び伸びと遊べるよう工夫し,散歩に出かける際は散歩マップが作られており、細やかな配慮が随所に見られました。

 

・外国籍の子どもとの係わりにおける認識をより深く、理解あるものとしていく上で、子ども達がその国の食や文化、慣習などを身を持って体験できる機会があると尚、認識が深まり友好化が進み、子ども達の視野も広がっていく機会になるかと思います。

 

・外国市民の保護者へ園から周知していかれる際に、文書での伝達事項がある場合など、園の真の意味を理解して頂くためにも、可能であれば通訳を介して話しができると、相互理解と保護者へも安心と信頼を提供できることになるのではないかと思います。

 ・性差に関する園側の意識を持った取り組みをより相乗させるためにも、保護者の方々へ理解と協力を願えるようアプローチに工夫を試みると良いかと思います。
   利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援

・保育士は、子どもに対し言葉遣い、傾聴、受容に努め、一人ひとりに丁寧に対応しています。せかす言葉や制止する言葉は不必要に用いることは全くなく、理解を深めることに努めています。生活習慣については、子どもの自主性を尊重し、一人ひとりの状況を把握し、リズムに合わせるよう努め、自立を促すよう適切な対応がされています。自発的な活動環境を整え、子どもの興味や関心に耳を傾け、臨機応変な対応と工夫があり、また、身近な自然や動植物に触れることにより、子どもに感性と感動が育まれる機会をつくり、心の育成に力が注がれています。散歩途中の近隣の方との挨拶や犬や猫などの出会いも思い遣りと慈しむ心を持つ機会となり、様々な交流を通し社会性への導きを促しています。子どもの感性・喜び・個性・創造性・表現に尊重を示し、経験させることにより主体性を伸ばし、援助をしています。 特徴として、「相手の気持ちを気づく、思い遣る」事を教えている点や、また、「見える保育」を目指し、随時見学や参加等を実施していることに、開かれた園の姿勢が見えます。特別保育では、緊張感を和らげる環境づくりとゆったり寛げるよう努めています。

 ・利用者が意見を言える体制づくりとして、園では、独自の様式の活用と随時個人面談を行なう体制を持ち、保護者と情報交換や連絡がとれるように配慮しています。また、ご意見ボックスを玄関に設置し、広く、要望を頂き、意見反映に努める姿勢があります。                    
   サービスマネジメントシステムの確立

・社会的責任の認識として、公務員として法を遵守し、全国保育士会の倫理網領を常に携帯し、自覚を持ち責任ある保育に努めています。運営状況の情報開示は、第三者評価の導入、第三者による苦情解決要綱により透明性に努めています。

 

・園長は福祉サービスの質の向上のため、全般に渡り熱意を持って取り組み、方向性を示すよう努め、リーダーシップを発揮しています。また、職員の役割分担を組織で定め、責任を明確にし、子どもや保護者へ速やかな対応ができる体制作りになっています。

 

・保育の質の向上やサービスに向け、指導計画基づき毎月反省と改善に向けた会議を行い、見直しと次期指導計画に反映する取り組みをしています。また、記録があります。子どもの発達状況や保育目標、生活状況については、一人ひとりの発達確認と日々の状況を児童票に記録しています。ケース検討では、毎月乳児・幼児会議で援助方法を確認し職員が共通理解に努めています。ケース検討の記録は保管され、当日の活動をボードに明示し、児童票にも書いています。

 

・苦情解決のしくみとして、事務所入り口に明示され、誰にでも話して頂く事をポリシーとし、責任を持ち解決に当たる姿勢があります。

 ・危機管理の体制として、園では、事故・事件・災害に対するマニュアルを全職員に配布し、緊急時(医療機関と地図・緊急連絡簿完備)に対応できるよう訓練を重ね、実践できるよう取り組んでいます。安全管理については、安全点検係を定め、チェックリストによる点検を月1回行なっています。不審者対応については、園内研修の一環とし、防犯訓練を行ない非常事態に取り組む姿勢があります。保育中のケガや事故への対処への取り組みは、真摯に対応し、反省と改善及び保護者へ報告することを看護師、保育士が連携を図りながら対処しています。災害時の避難先については、壁に見えるように掲示され、保護者へも周知徹底が行なわれています。また、散歩の折でも保育士は道順を確認するよう努めています。衛生管理については、用務職員が掃除マニュアルに基づきチェック表を活用し、適切に実施しています。
   地域との交流・連携 

・地域住民やボランティアの交流の場の提供として、中高生の保育体験や実習生・ボランティアの受け入れを積極的に行い、園では受け入れ担当者を定め、「実習生受け入れについて・体験学習、交流保育の受け入れについて」を基にオリエンテーションを実施しています。特に園側の思いを受け入れる方々にしっかり話しを行い、理解と円滑な関係つくりに配慮しています。

 

・地域の関係機関等との連携については、主に園長が伝え、会議でも職員に周知され情報の共有化に努め、専門機関等とも密に連携が図れています。地域団体との交流については、行事へのご招待や近隣に商店街があり、日ごろの良好なお付き合いにより、しっかり交流ができています。その背景には、園の気配り・心遣いが功を奏していることが伺えます。

   受け入れの際、保護者の方々へお便りやクラス内の掲示板で周知を行なっていますが、一つ一つの意義や目的についての説明が加えられると、家庭においての親子の会話の”広がり”となり、また、各年齢の子ども達の社会性を養う機会及び関心へと繋がるのではないかと思います。
   運営上の透明性の確保と継続性 

・保育理念と基本方針については、明文化され、職員に年度末や年度初めの会議で共通理解が図られています。保育計画は保護者の意向が反映され、職員会議で職員の意見を抽出し、作成しています。作成された保育計画は、年度初めの保育説明会で伝達されています。年間保育計画はクラス懇談会で周知されています。また、保育理念、基本方針、乳児・幼児の保育テーマを掲示し、園全体で保育観の統一を図っています。地域に対しては、なかよし通信でお知らせをし、園の理解を求めています。

 

・情報開示については、園便り、給食便り、健康便りを月1回、クラス便りを年4回、保護者へ配布しています。掲示物はわかりやすく、きれいに工夫され、目立つところに掲示するよう配慮がされています。園見学者や地域の方、実習生等へも適宜配布され情報を提供しています。また、園医、子育てセンター、近隣商店街へも園のポスターを張り出し、園お便りの設置を設け、広く周知に努めています。広告媒体では、川崎市のHPで運営状況を公開しています。

 

・運営改善への取り組みとして、行事の際、保護者へアンケートを行い、意見を抽出し、改善へと取り組んでいます。課題については、問題点をデスカッションし、PDCAにより改善に努めています。日常業務の効率化を図る特徴として、クラス複数担当体制を採用し、クラス運営の有効な方法を検討し、取り組まれています。書類については、簡素化を図り、一本化に努めています。

 

・保護者、職員からの意見を反映した保育計画が作成されていますが、今後、これらの反映項目と相関を記録していかれると、振り返りと気づきに繋がると思います。

 ・なかよし通信の発行は、園の透明性及び関係づくりに有効性が高いものだと思います。しかし、項目が少ないのでより理解して頂くために、周知する内容に工夫されれば尚、理解度が高まっていくかと思います。
  職員の資質向上の促進 

・職員は子どもの安全を守る事と保育のよりよい向上を目指し研修に取り組む姿勢としています。職員の研修は自己研修への促しと園としてのニーズの両面の視点から研修参加を行なっています。

 ・保育サービス内容について、職員は、質・サービス向上・保育改善に向けて、月1回の全体会議やリーダー会議及びフリー会議を開催し、職員が意見参加する取り組みがなされています。保育内容の点検・評価については、毎月行なう乳児・幼児会議で反省及び点検と見直しを行い、改善に努めています。
評価詳細(PDF 374KB)