深見台保育園(公立) PDF 印刷 Eメール

総 括

評価機関名株式会社 学研R&C
評価実施年月2008年4月 ~ 2009年3月
公表年月2009年3月
対象サービス児童(保育所)
対象事業所大和市立深見台保育園
事業所(所在地)〒242-0013 大和市深見台4-10-23

総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

《園の概要》

 

深見台保育園は、昭和50年に開園した公立の保育園です。建物は鉄筋コンクリート2階建て、園庭が広くのびのびした造りとなっています。駅から10分ほどの住宅街に位置し、近隣にはコミュニティセンターや公園があり、地域の子育て支援の拠点となっています。

   

《特に優れている点》

  

○ 地域との交流により子どもたちの生活の幅を広げています

 

 「子どもの日の集い」、「深見台まつり」、運動会など、園の行事に地域の方々を招待し、交流をしています。「深見台祭り」、運動会には毎年近隣の高齢者の方々が見に来てくださり、アドバイスをいただくこともあります。また、近隣の高校生がボランティアとして参加しています。

 

 地域の親子が参加する「あそぼう会」「おとうさんと一緒にあそぼう会」や、公園で行われる出前保育「おひさまサロン」などで、地域の子どもたちと園児との交流があります。

 

 近隣の高齢者施設に訪問に行ったり、地域の老人会の方々といっしょに公園の清掃を行ったり、小学校に見学に行く機会も持っています。

 

 そのほか、中高生の保育体験、小学校の先生の社会体験学習、近隣の方々のボランティアを受け入れています。

 

 このように、さまざまな人々との交流を通して、子どもたちの生活の幅を広げるとともに、地域の方々の理解を深めています。

  

○ 子どもと保護者が食への関心を深める取り組みをしています

 

 園の食育プロジェクトが中心となり、子どもたちや保護者の食への関心を深めるさまざま取り組みをしています。

 

 園庭でジャガイモ・ピーマン・トマトなどを栽培し、皆で収穫し、調理室で調理してもらいます。収穫した野菜は、日ごろは好き嫌いのある子どもも、好んで食べています。5歳児の保育参加では、保護者と一緒にカレーを作りました。

 

 「お皿はいくつかな」というイラストを掲示して基本になる食事のスタイルを示したり、「元気を作る仲間」として3大栄養素の食材を掲示して説明しています。

 

 月2回、3~5歳児のクラスから2名ずつが参加し、テーブルを囲んで「まぜごはんの日」と称した会食を行い、いつもと違った雰囲気を楽しんでいます。

 

 子どもに人気のあるメニューのレシピを玄関に置き、保護者が自由に持っていけるようにして好評を得ています。保育参加日には給食の試食を行い、味付けや形態・量などを知ってもらい、家庭での食事作りの参考にしてもらっています。

 

 訪問調査当日は、子どもたちが楽しんで食べている姿が見られました。

  

○ 職員の資質の向上に努めています

 

 園独自でまとめた「深見台保育園保育士マニュアル」を、非常勤も含めた全職員に配布しています。マニュアルには、園目標、園の基本方針、衛生・保健・事故対応などのマニュアルを載せているほか、倫理要綱や「保育に向かう心得」なども載せ、職員の意識を高めています。

 

 隔月にケース検討会議を開き、各クラスのケースについて話し合い、個々の職員のスキルアップに役立てています。

 

 園内研修として、担当クラスを交換して保育を行い、職員同士が気づいたことを伝え合う取り組みも行っています。職員は園外研修にも参加し、報告会を開いています。

 

 また、「食育」「歌・ふれあいあそび」「集団遊び・体操」「絵本・環境」の4つのプロジェクトチームを設け、それぞれが話し合いを持ち、活動を行い、年度末にまとめを行っています。

 

 これらの取り組みは、職員がコミュニケーションを深めるきっかけになっているとともに、お互いのスキルを高めあう良い機会になっています。

   

《さらなる取り組みを期待したい点》

  

○ 保護者の意見や要望に迅速に対応できるしくみ作りを期待します

 

 苦情解決マニュアルを作成しており、要望・苦情受付担当は副園長、責任者は園長と明記しています。また、園に直接申し出ることができない場合には、第三者委員や市の育成課や関係機関に相談できることを定めており、そのしくみを掲示しています。そのほか、行事後などにアンケートを行ったり、意見箱を設けるなどして、保護者からの要望・苦情を聞き取る努力もしています。しかしながら、今回の保護者アンケートでは、改修中で長期間使用禁止となっている園庭遊具についての意見・要望が多数ありました。今後は、それらの課題を含めて、保護者の意見や要望に対して迅速に対応できるしくみ作りを期待するとともに、すぐに対応できない場合には、その経緯を逐次保護者に伝えていくことを望みます。

 

 また、第三者委員を行事などに招待して保護者に身近に感じてもらえるようにしたり、意見や苦情に関する掲示をさらにわかりやすくするとよいでしょう。

  

評価領域ごとの特記事項

1.人権の尊重

 大和市では、公立保育園共通の「保育理念」、「保育方針」、「保育目標」を策定しています。「保育理念」は「子どもの心とからだ(生きる力)の基礎をはぐくむ」というもので、「保育方針」には子どもの豊かな感性や健やかな心と体が育つよう、保育者・保護者・地域が協力して保育にあたることを掲げています。それを踏まえて、「健康な子ども」「みんなと楽しく遊べる子ども」「心豊かな意欲的な子ども」を「保育目標」としています。

 

 全職員に配付している「深見台保育園保育士マニュアル」に、「保育に向かう心得」を記し、年度初めに読みあわせを行い、子どもの人権に配慮した接し方を心がけています。子どもの呼び方については、「○○ちゃん」「○○くん」と呼び、呼び捨てやあだ名で呼ぶことのないようにしています。また、保育内容研修会でまとめた「ことば」に関する資料の読み合わせも行っています。

 

 各保育室には、低い棚を使って小さなコーナーを作っており、その隅でほっとするひとときを過ごすことができます。また、「ちいさなももちゃんのへや」と称した小部屋があり、静かに過ごしたい子どもが利用したり、保育士と1対1で話をする時に利用しています。事務室にもおもちゃや本を置いた絨毯敷きのコーナーがあり、子どもが遊びに来たり、保育士とゆっくり話せる場所となっています。

 

 個人情報・守秘義務についてのマニュアルを作成し、全職員に配付して、年度初めに読み合わせを行っています。保護者には、入園時の説明会と懇談会で説明しています。

 

 児童虐待の防止についてのマニュアルを作成し、全職員に配付し、年度初めに読み合わせを行い周知しています。そこには、虐待の早期発見などについて記載しており、登降園時の保護者と子どもの様子の変化に注意したり、着替えの時などにチェックをしています。

 

 性差を意識した保育は見受けられませんでした。出席簿などは五十音別に記入しています。園のマニュアルの「保育に向かう心得」の中にも性差に関する一文があり、年度初めに読み合わせを行っています。

 

 園内研修として担当クラスを交換して保育を行い、職員同士が気づいたことを伝え合う機会を持っています。また、気づいたことがあった時には、その場で声を掛け合っています。

    

2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 清掃マニュアルを作成して、朝・夕や食事の後などに清掃を行い、室内を清潔に保っています。窓は大きく、採光も良く、時々窓を開けて換気も行っています。0、1歳児の保育室には、畳敷きのスペースがあり、寛げる空間となっています。また、どの保育室にも、手に取りやすいように低い棚におもちゃやままごと道具、絵本などを置き、遊びのコーナーを作っています。

 

 0、1歳児には食事と午睡の空間を別々に確保しています。2~5歳児は同じ空間を使用していますが、保育士が食事の片づけをして、午睡の準備をする間、小部屋を使って、絵本の読み聞かせなどを行っています。

 

 自然に恵まれた地域にあり園庭も広いという立地を生かして、野菜の栽培や昆虫の飼育などをしています。季節によってジャガイモ・キュウリ・ピーマン・ラディッシュなどを作り、芽が出たとき、花が咲いたとき、収穫時期などに観察したり絵に描いたりしています。収穫したものは調理室で調理してもらいその日に味わったり、5歳児の保育参で「親子カレー」として調理したりしています。

 

 地域清掃にはできるだけ参加し、終了後にはいっしょにおやつを食べて地域の方と交流し、昔の様子を聞いたり昔の遊び(お手玉や数え歌)を教わったりしています。隣接するコミュニティセンターや公園で開かれる育児講座「親子でふれあうって楽しいね」や「おひさまサロン」などで地域の子どもたちといっしょに遊ぶ事もあります。

 

 異年齢交流を積極的に行っています。少人数グループによる「まぜごはんの日」の会食、土曜日の合同保育、夏の合同保育などがあります。5歳児が乳児クラスに着替えの手伝いに行く事もあります。

 

  各クラスには「お皿はいくつかな」や、「元気をつくるなかま」として食物を「きいろ・あか・みどり」に分けたイラストを掲示してあり、それにより食事の基本スタイルを伝えたり栄養の話をしたりして、食べる意欲につなげています。ひな祭りやクリスマスなどの行事には、近くの高齢者を招きいっしょに会食をします。いつもと違う盛り付けやテーブルセッティングにするなど、各クラスで工夫しています。給食日誌、調理記録に毎日の残量を記入し、残量の多い献立は給食会議で調理方法や味付けの工夫をしています。

   
3.サービスマネジメントシステムの確立

 保育計画は、保育所保育指針と大和市保育のガイドをもとに、常勤職員が中心となって作成しています。保育の基本方針や地域の実態、保護者の実情などを考慮し、子どもたちが地域の方々をはじめ、さまざまな人との触れ合いを通して育つことを大切に作成しています。保育計画は保育方針などとともに年度初めの懇談会で保護者に説明しています。年間指導計画は、年度の半ばと年度末に全職員で反省と評価を行っています。月間指導計画は活動が子どもにとってふさわしかったかなどについて毎月反省を行い、次月の計画を作成しています。行事の後には保護者にアンケートをとり、行事の感想のほか、行事以外についての意見や要望も聞いています。0~2歳児については、月間個別指導計画を立てています。3~5歳児についても配慮の必要な子どもには、個別の指導計画を立てて保育にあたっています。

 

  健康管理に関するマニュアルを整備しています。子どもの健康に関する情報などは、入園時や入園後に保護者から聞き取りをして、児童票に記入しています。健康診断の記録は内科健康診断票・歯科健康診断票として個別に記録し、保管しています。健診結果はその日のうちに、結果通知書で保護者に知らせています。また、職員は順番に上級救命救急講習を受講しています。

 

 不審者対策は「不審者対応マニュアル」としてまとめ、不審者対応の訓練を年2回行っています。不審者情報は市からメールを通じて情報が入ります。また、警察官OBのボランティアが、園の周囲を巡回しています。

 

  連絡帳は0~2歳児に用意しています。3~5歳児は、保護者の要望に応じて保育士手作りの連絡ノートを用意しています。個人面談はクラスごとに実施期間を決め、全保護者を対象に実施しています。保護者の都合よい時間に来ていただけるように、期間・時間は柔軟に対応しています。懇談後もアンケートを実施し、保護者の意見や感想を聞いています。個人面談の記録は、児童票の個人面談記録票に記載しています。

 

 年度末の懇談会では、パワーポイントで1年間の保育の様子を伝えており、保護者には大変好評です。年間行事については、年度初めの懇談会で予定表を配付し、保護者が参加しやすいようにしています。

   
4.地域との交流・連携

 地域住民との交流として、次のような事業を行っています。毎週水曜日に、園開放や交流保育として行っている「あそぼう会」、出前保育として毎月1回、近隣の公園にてエプロンシアターや紙芝居などを行う「おひさまサロン」、さらに、近隣の施設を使って年3回実施する育児講座「親子でふれあうって楽しいね」、年5回開く育児のひろば「みんなおいで」があります。そのほか、月曜から土曜日までの9時から17時に育児相談を実施しています。これらの事業を通して、地域住民に対する要望を把握しています。

 

 2か月に1回、園長と子育て支援担当の保育士が「地域育児センター連絡会議」に出席して、市内の公立保育園と情報交換をしています。そのほかにも、市内の子育て支援機関の担当者と「子育て支援センター連絡会議」や、地域の子育て関係団体の代表者と「地域子育て連絡会」を実施して、地域の子育て支援ニーズを把握する取り組みを行っています。把握した地域の子育て支援ニーズは、年度末の臨時職員会議で確認し、1年間の子育て支援事業を反省して、来年度の事業に反映させています。地域での子育てを支援するために、緊急一時保育や「あそぼう会」のほか、栄養士と連携して「離乳食教室講座」などを開催して、保育園の専門性をいかしたサービスを提供しています。今後は、特にニーズが高い離乳食について試食とお話をする「食べよう会」を、定期的な支援事業として計画しています。

 

 「子どもの日の集い」、「深見台まつり」、運動会などの園行事に地域住民の方を招待しています。毎年10月に、市内の公立保育園主催により「あなたの子育て応援します」というテーマで、福祉の日の展示を行っています。その中で、保育園で使われているおもちゃの展示を行うなど、日常の様子が伝わるようにして、普段保育園を利用しない人にも保育園を理解してもらえるよう努めています。

 

  中高生向けの保育入門講座、小学校教諭向けの社会体験学習など、教育機関との連携も積極的に行っています。

 ボランティアには受け入れのためのマニュアルを用意してオリエンテーションを実施し、園の方針や注意点などを事前に説明しています。ボランティア受け入れ後は、感想や意見を聞いて記録し、職員間で情報を共有しています。

   
5.運営上の透明性の確保と継続性

 理念・基本方針を明文化した「深見台保育園保育士マニュアル」があり、全職員に配付しています。各保育室にも「理念・基本方針」を掲示してあります。職員採用時には、「深見台保育園保育士マニュアル」に基づいて、理念・基本方針を説明しています。そのほか、職員会議やミーティングでも確認しています。

 

 市が毎年発刊している「保健と福祉」の中で、保育園事業の運営状況や財政状況などについて公開しています。また、必要に応じて、園運営について重要なことは速やかに公開されるしくみがあります。園内外で起こった不正・不適切な事例の新聞記事などを毎日のミーティングの中で話し合い、回覧をして職員に周知徹底をしています。

 

 市では現在7つある公立保育園のうち、一部を民営化する計画があります。この民営化について、職員はもちろん保護者にも継続的に目的や内容などを説明しています。この計画について、保護者からの意見を取り入れるために、市ではパブリックコメントを実施しています。また、これらの説明会に参加できない人のために、説明会の内容を記した議事録を保護者に配布しています。

 

 園長は、他園の園長や課長を含めた市の部内会議に参加し、園運営に必要な情報の収集・分析をしています。集めた情報は、職員会議で話し合っています。過去には、配慮を必要とする子どもの受け入れについて園全体で話し合い、医療機関や行政などの関係機関とも連携して対応したことがあります。「人事評価制度実施要領」「大和市立保育所職員研修計画」に基づいて、副園長クラスを計画的に育成するプログラムがあります。副園長は、職員個々の業務状況を的確に把握し、職員の能力や経験にあわせて的確な助言や指導などを行っています。

 

 アンケートなどであがった保護者の要望については、職員間で周知し、改善できるものについてはすぐに対応しています。

   
6.職員の資質向上の促進

 園の運営に適切な人材構成となっており、必要な人材は逐次補充できる体制となっています。「大和市立保育所職員研修計画」の中に「保育所職員に求められる職務遂行能力」という項目があり、理念や方針を踏まえた保育が実施できるように人材育成の計画を策定しています。個々の職員の資質向上にむけた取り組みとして、「人事評価実施要領」に基づいて、年度当初に園長・副園長が面接を行い、各自の年間目標を設定しています。また、年度途中と年度末に再度面接を行い、達成状況や反省点を確認する取り組みを行っています。また、職員会議での討議や年度末の反省会でのアンケートなどでも、職員の意見を把握しています。

 

 「深見台保育園保育士マニュアル」を、非常勤職員を含めた全職員に配付し、クラス編成や時間外保育・延長保育など、正規職員と非常勤職員の組み合わせに配慮しています。

 

 研修担当者の副園長が、職員のニーズを個別に把握して年間の研修計画を作成しています。園内外の研修は、正規職員・非常勤職員ともに受講できます。研修実施後は、研修報告書を作成するほか、研修報告会では研修内容を報告し、さらに職員に回覧して周知しています。また、「研修台帳」で職員一人ひとりの過去の研修受講状況を把握し次回受講する研修を検討するなど、研修内容が充実するように努めています。園内研修として、年間で計画を立てて自分の担当以外のクラスに入り、そのクラスの良い点や改善点を確認し合う取り組みを行っています。また、4つのプロジェクトチームを立ち上げ、全職員はいずれかのチームに参加し、モチベーションの維持や業務改善に役立てています。そのほか、隔月でケース検討会議を実施し、各クラスの事例を出し合い深く話し合うことで、個々の職員のスキルアップにつなげています。

   
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