社会福祉法人 博栄福祉会 栗の実保育園 PDF 印刷 Eメール
 

総括

評価機関名ナルク神奈川福祉サービス第三者評価事業部
評価実施年月平成20年5月
公表年月平成20年7月
対象サービス保育所
対象事業所栗の実保育園

総合評価

【施設の特徴】

  

1.自然に恵まれた歴史と伝統をもつ保育

 

当園は昭和56年に設立され、以来27年の歴史と伝統を持つ地域に根ざした保育園である。園舎は鉄筋コンクリート2階建てで保育室が5部屋あり、建物南側に532平方㍍の園庭を有している。

 

相鉄線さがみ野駅から徒歩20分程度の丘陵地帯に位置して、周囲は農家や住宅街が広がり、当園の近くの自然のままの芹沢公園では、子どもたちが探検や観察など自然の中にとけ込んで元気に過ごしている。

  

2.経営・保育理念

 

法人(博栄福祉会)の経営理念は、「利用者、職員、地域社会がお互いに支え合い、共に歩む施設作りを目指し、乳幼児保育のフロンティアの使命をもつ」を掲げ、保育理念では「心優しい豊かな感性を育てる」を目指し、具体的には発達段階に応じた遊びを通しての ①食と農 ②園外保育 ③絵画・造形を保育の柱としている。また、保育の基本姿勢として「共に育て、共に育ち、共に喜ぶ」とし、子ども同士の育ち合いの中で地域と共に育って行くことを目的としている。

  

3.毎週の異年齢児園外保育

 

3歳児~5歳児は、毎週木曜日、雨天でない限り園のすぐ近くにある芹沢公園へ異年齢園外保育に出かけて行き、自然探索を行い、植物を観察・採取し、小動物に触れながら子どもたちの感性を育てる保育になっている。この間、5歳児は3~4歳児をいたわり、3~4歳児は年長児のあとをついて頑張り、異年齢児保育の長所が随所に見られる。

  

4.乳幼児造形活動

 

自然との関わりの深い日常保育の中で、子どもたちが発見した喜びや感動、命の大切さを、造形活動を通して育んでいこうとする保育は、当園の特徴である。

  

5.外国籍園児の受け入れ

 

 厚木基地に勤務する保護者の関係で、アメリカ・ブラジル・イラン・マレーシアなどの外国籍の子ども6 名が在籍し、園では、子ども達が食習慣や文化の違いを自然に受け止めて日常生活を送ることができるように配慮している。

 

    

【優れている点】

 

1.保育理念『心優しい豊かな感性を育てる』の実現に向けた取り組み

 

◇ 異年齢児交流の中での自然観察

 

隣接する自然豊かな芹沢公園の中で、子どもたちが主体的に行動し、異年齢児が小集団になって自然そのままの芹沢公園を探検したり、体を動かして思いっきり遊び込みながら、拾った葉や木の実で、ごっこ遊びや造形遊びを楽しんだり、小動物を飼育観察して命の尊さを実体験している。

 

◇ 表現する力を育む造形活動

 

公園の自然の中で、木の葉や小動物を発見した喜び、感動、命の大切さを、造形活動を通して表現する力を育み、作品を野外造形展で発表している。

 

◇ 食と農への取り組み

 

「食と農」への取り組みでは、食への関心と共に、稲や野菜の栽培やそこに集まる虫の生態系も学んでいる。稲作は土つくり、種籾から米作りに取り組み、おにぎりパーティーまでの一連の体験を通して感動、収穫の喜びを共有している。また、栽培した野菜や園外保育で採った山菜を調理したり木苺でジャムを作って、自然の恵みを美味しく食べる楽しさも味わっている。

 

   

2.保護者への情報提供の充実

 

  ◇ 連絡帳

 

園では連絡帳、園だより、クラスだより、ホームページ、携帯メールを活用してさまざまな園情報を提供している。一人あたり年間5~6冊に及ぶ連絡帳は、一人ひとりの大切な成長記録であると同時に、保護者と園が子どもの成長を共に喜びあう大切な記録でもある。

 

◇ホームページ・携帯メールの活用

ホームページでは毎日献立の画像を公開し、新着情報コーナーでは日常の子どもの様子を伝えており、保護者がいつでも見ることができると好評である。

携帯メールでは園の連絡と共に不審者情報などの緊急時の一斉配信システムが構築されている。

 

 

   

3.保育活動の総点検

 

   歴史が古い当保育園の保育実態を、現在の時代に相応しい本来あるべき姿になっているかどうかについて、独自の156項目に亘る自己評価項目を設定して平成18年以来総点検してきた。その上に今回の第三者評価にあたっての自己評価・点検を行い、結果として、子ども本人の尊重、サービスの実施内容、地域支援機能、開かれた運営などでは、極めて高い水準をキープしていた。

 

   

4.地域社会への施設サービスの提供

 

  ◇ 子育て支援事業

 

平成9年より地域育児センターを開設して子育て支援事業を実施している。園庭開放、乳幼児保育相談、親子参加の造形遊び、一時保育などの活動が保護者の方々に浸透して、子育てグループでの情報の輪が広がり、遠方からの相談にも対応している。

 

  ◇ 活発な地域交流

 

地域に根ざした施設として、さまざまな園行事に住民を招待するほか、園が計画する運動会やどんどやきが地域行事として定着しており、住民の楽しみにもなっていて多数の住民が参加している。

 

七夕誕生会や幼老交流陶芸教室では、子どもたちと地域の老人会ほか高齢者が一緒に会食したり作品制作に取り組み、その作品は野外造形展で展示している。

 

   

【独自に取り組んでいる点】

  

1.絵画・造形活動を通した感性教育

 

   園外保育や食と農の保育活動での実体験を絵画・造形を行うことを通して再確認し、子どもの感性を深めている。用意された豊富な色や画材、廃材等を使って、子どもたちは自らの発見や感動を、それぞれの想いを込めて最大限に表現している。その結果子どもたちの作品は児童画展でも毎年高い評価を得て、個人賞、団体賞、奨励賞など多数受賞している。また、作品は玄関からトイレに至るまで随所に飾ってあり、来訪者の目を楽しませている。

  

【改善が望まれる事項】

  

1.学び合いの環境作り

 

   現在、職員の役割分担は明文化されていますが、更に職員一人ひとりが課題を持って主体的に学ぶことができるように、個人の能力や経験に応じた役割・持つべき能力を期待水準として明文化し、それに基づいて職員一人ひとりの年間目標を設定して、園長以下全員の学び合いの場を設定することをお奨めします。

  

2.環境活動の明文化

 

   現在、ゴミの分別収集やリサイクルなど環境活動を実施していますが、行政機関や近隣の住民に対して、当園が環境活動に積極的に取り組んでいる姿勢を明確にするため「環境活動目標」などを明文化し、広く内外に広報することが望まれます。

 

評価領域ごとの特記事項

1.人権への配慮

・子どもや保護者の人権の尊重や守秘義務の意義や目的を、職員には採用時研修で説明し、職員会議でも確認し合っている。ボランティアや実習生にはオリエンテーション時に説明し、周知徹底している。

 

・個人情報の取扱いについてのガイドラインがあり、全職員に指導している。個人情報に関する書類は、事務所で施錠管理している。  

 

・子どもが落ち着いてひとりで過せる場を、本棚や椅子で工夫して確保している。個別に対応する時は子どもの目線に合わせて向きあって座り、やさしく分かり易いことばで話しかけるなど配慮している。

 

 
2.利用者の意志・可能性を尊重した自立生活支援

・子どもたちが自由に取り出して絵を描いたり製作活動ができるように、手が届く場所に筆記具、描画材などを用意している。

 

・各発達年齢に配慮したデイリープログラムがあるが、子どもの意欲と遊び込む力を尊重して緩やかな時間配分に心がけ、継続して遊びに取り組めるように柔軟な対応をしている。

 

・保育士は子どもがいつもと違う遊び方、使い方を発見した時は、他の子ども達にも知らせてさらに遊びを広げていく力を育むように援助している。

 
3.サービスマネジメントシステムの確立

・入園説明会で収集した子どもの成育歴や家庭での状況、配慮事項などの情報を個別に記録し、入園後も成長記録、健康診断記録、家庭生活調査票などを追記して継続的に保育サービスを実行している。

 

・指導計画の作成、評価、見直しは職員会議で定期的に行っており、必要がある場合には随時見直し、改定している。

 

連絡帳、園だより、クラスだより、ホームページ、携帯メールなどを活用して、日常の保育の様子や緊急連絡などの情報提供をしている。

 
4.地域との交流・連携

・平成9年に地域育児センターを開設して、子育て支援事業を実施している。その具体的活動は、園庭開放「なかよしデー」、乳幼児保育相談、親子参加の造形遊び、一時保育である。

 

・野外造形展、夕涼み会、幼老陶芸教室等の園行事開催時には、子どもたちが職員と近隣住民を訪問して招待し、一緒に楽しんでいる。園が計画する運動会やどんどやきが地域行事の中心となっており、地域住民が多数参加して交流している。

 

・子どもたちと職員は、散歩や運動会で使用する芹沢公益広場を自治会と一緒に掃除している。また、子どもたちが買い物に行く近所の商店とも馴染みの関係である。

 
5.運営上の透明性の確保と継続性

・運営状況は定期的に発行する園だよりやクラスだより、またホームページで子どもたちの活動状況を知らせ、更に「貸借対照表」「資金収支計算書」「財産目録」を公表して経営内容の透明性を図っている。

 

・クラス懇談会で保育方針や保育内容を分かり易く説明しているほか、子どもの毎日の様子を連絡帳で詳細に報告している。

 

・園の創設時より保護者会があり、積極的に園行事に参加して意見交換したり、アンケートの協力依頼など保護者会とは日常的にコミュニケーションを取っている。

 

・理念に基づいた「保育運営マニュアル」を全職員参加で作成し、常に見直し・追加をしているので、全職員が周知し、日常の保育に生かしている。

 
6.職員の資質向上の促進

・職員研修計画が策定され、職員は業務内容や経験を考慮して研修に参加しおり、習得した内容は園内研修で検証して評価している。

 

・非常勤職員も「保育運営マニュアル」を学び、園内研修にも参加し、常勤職員と保育の運営内容を共有している。

 

・職員会議の開始前には園独自の「自己評価チェックリスト」で自らを振り返り、資質の向上に努めている。

 

・年度末には園長と個人面談を実施して1年を振り返り、次年度の目標設定を行なっている。

 
 評価詳細(PDF 654KB)