神奈川県立さがみ緑風園 PDF 印刷 Eメール

総 括

評価機関名特定非営利活動法人 介護の会まつなみ
評価実施年月平成20年12月 ~平成21年3月
公表年月平成21年3月
対象サービス身体障害者療護施設
対象事業所神奈川県立さがみ緑風園
事業所(所在地)〒228-0828 相模原市麻溝台2丁目4番18号

総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

《優れている点》

  

◆ 医務体制の充実 ◆

 

●診療業務を委託している北里大学東病院の看護師が24時間体制で常駐し、施設の生活支援員と連携しALS患者や遷延性意識障害の方の受け入れを行っています。施設の毎朝の連絡会へ北里大学東病院の医師、看護スタッフが参加するなど、少なくとも1日2回は情報交換を行うことが緑風園看護業務マニュアルで定められています。また、北里大学東病院・本院への通院は施設車両にて看護師付添いのもと実施されています。

  

◆ 積極的なボランティア・社会資源の活用 ◆

 

●地域支援課に担当窓口であるボランティアコーディネーターを置き、ボランティア台帳が整備され、ボランティア受け入れ数は年間2847件(平成19年度実績)あります。

 

個別外出における有料ヘルパー・福祉タクシー利用のサポート、送迎・外出の付き添い・衣類補修・車椅子清掃・傾聴・歌や踊り・ドライヤーかけ・化粧 等のボランティアのコーディネイトなど、他機関との連携、ボランティアの活用、開発を行っています。日曜日に実施しているボランティアによるコンサートは月2回以上の来園実績があります。

  

◆ 障害程度に合わせた日中活動支援 ◆

 

 ●生産活動(内職・陶芸・七宝・手芸)、余暇活動(「リラクゼーショングループ」・散歩・外食・買い物・音楽療法)、外出支援(遷延性意識障害等の利用者、ALS患者の方に対しても、看護師付添いでハンディキャブを使用し外出)が障害の程度に応じて職員・看護師が付き添うなどして実施されています。

   

◆ 定期的に利用者の声・要望を聞く体制 ◆

 

 ●K-フレンズ(かながわ障害福祉ネットワーク)や第三者委員が定期的に来園し、利用者が相談できる体制が整えられている。

 

 ●月1回、各ホームのホームミーティング、利用者自治会との連絡会(毎月第3火曜日)が開催され、利用者の意見収集、要望を確認する機会として位置付けられています。

    

《独自に取り組んでいる点》

  

◆ サービスの質の向上に対する取り組み ◆

 

 ●園内研修として、5つのプロジェクト(ソフト食導入プロジェクト、看取りプロジェクト、重度・高齢化プロジェクト、地域生活移行プロジェクト、経管栄養の半固形化プロジェクト等)が計画されています。各所属職員の積極的な対応により、効果的な結果が導かれ、実践されていることに、組織としての前向きな対応を見ることができます。

 

 

◆ 日常介護での個別支援の周知 ◆

 

●「利用者の介護状況」「個別対応マニュアル」が整備されています。それには、利用者個別の留意事項、排泄支援についての個別の援助方法、健康管理、等の記載があり、日常介護で個別の対応を行うよう配慮されています。

   

《改善すべき事項》

  

◆ 他施設での不具合事例検討による事故予防 ◆

 

●他施設で発生した不具合事例に対し注意喚起を行うことにより日々、自園における事故予防に努められています。しかし、さらなる事故予防を期するためにも、他施設での不具合事例の原因を分析し、自園においても起こりうるケースに対する予防策を検討することが期待されます。

  

◆ 記録管理方法の再見 ◆

 

●必要な記録の一部が、パソコンにより作成され、保存管理されていました。しかし、現状では紙媒体による記録類の管理が主体であり、今後、そのファイリングや保管場所等の管理が困難になることが予想されます。紙媒体を少なくするためにも、パソコン等の電子媒体による文書の管理の推進の努力が期待されます。

  

評価領域ごとの特記事項

1.人権の尊重

○「さがみ緑風園職員行動指針」を策定し、職員への人権教育及び不法行為の防止が実施されています。実務においては「利用者の人権に関するマニュアル」が作成され、人権擁護委員会の設置も行われています。人権擁護に関し、日頃の業務を通して目指す目標を「月間目標」として設定し、各職員への周知が徹底されています。

 

○プライバシーに関しては、「さがみ緑風園職員倫理綱領」により、その保護が徹底されています。具体的には、上記マニュアルに規定された支援が行われ、実習生等の外来者に対する対応も適切に実施されています。

 

 

○人権尊重に関する規程は、上記綱領及び指針が策定され、人権擁護に関する理念が明記され、各職員に周知されています。支援における具体的な行動は、適切な園内研修等においても話し合われ、日常業務に活かされています。不具合事例に関しては、組織全体の問題として取り上げ、ホーム会議等で話し合うとともに、再発防止策が採られています。また、当園は「神奈川県個人情報保護条例」に基づく登録されています。

 

 

 

2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

○個別支援計画の策定において、上記以外の情報としての利用者のニーズを把握するため、個別面談やホームミーティングが実施されています。また、利用者の求める情報は、常に迅速に提供されています。策定された計画は、原則的には半年間の進捗状況を管理し、モニタリングにより見直しが行われています。

 

○個別支援計画は、利用者本人の意向を十分に反映したものであり、ケアマネジメントの理念に従い、本人または家族への動機付けが含まれています。また、エンパワメントの視点から、幅広い趣味の活動やクラブ活動への参加の配慮もなされています。さらに、ボランティアの有効活用により、各種社会資本の活用等の配慮もなされています。

 

 

○個別支援計画の策定に際しては、「緑風園看護業務マニュアル」に従い、年1回定期的に健康状態の確認と評価が行われています。アセスメントにおいては、医師によるADLの調査や社会適応能力の調査等も行われ、「個別支援アセスメントシート」としてインプットされています。また、策定された計画はサービス計画進行管理ファイルにてチェックされ、利用者の健康状態の変動に合わせ、適切かつ迅速に見直し・改善が行われています。

 

   
3.サービスマネジメントシステムの確立

○アクシデント、インシデントに対しては「さがみ緑風園の利用者等にかかる事故対応要領」「さがみ緑風園クオリティマネジメント体制整備(指針)」に基づき、事故報告書、ヒヤリハット報告書が作成され、申し送り・各ホーム会議にて分析検討し、事故報告書については「事故分析結果報告書」として報告されています。その後、クオリティマネジメント委員会において園全体の事故分析を行い、ヒヤリハットについてはSHELモデルを用いた分析により防止策が検討されています。

 

 

○「日常生活支援標準マニュアル」に食事支援、入浴支援、排泄支援、余暇支援、健康管理、衛生管理についての記載があり、そのマニュアルが各セクションに常備されサービスの標準化が図られています。

 

 

○居室は週2回清掃し、年3回業者によるワックスがけ、食堂・浴室は毎月2回、普段できないところを重点的な清掃の実施、月1回車いす等の福祉機器の点検実施など、適切な生活環境及び福祉機器の整備・点検が行われています。

 

 

 

4.地域との交流・連携

○囲碁将棋等を近隣の中学校・高校生徒や近隣住民と行う「ふれあい卓上競技大会」開催、大勢の近隣住民、近隣小中学校、高校の生徒のボランティアが参加する夏祭り、園祭りの開催、児童生徒による利用者の日中活動の手伝いなど、積極的に地域との交流の場を提供しています。また、地域交流集会室、ホールを近隣の自治会、サークルグループに対して貸出し実施、近隣施設に対してパン・クッキーの販売場所として「ふれあいコーナー」を提供するなど、地域のニーズを把握し対応しています。

 

○近隣の学校に対する「福祉出前講座」の開催、近隣小中学校の総合学習や職場体験学習受け入れ、地域自治会が開催する防災訓練に職員が参加、ほかほかふれあいフェスティバルの市のイベントに参加するなど、地域への施設に対する理解および福祉に対する理解の働きかけを行っています。

 

 

5.運営上の透明性の確保と継続性

○「介護支援等自己評価及び利用者等による介護支援評価実施要領」に基づき、施設としての自己評価を行っています。その手順は、各職員が介護支援についての自らの評価を行い、その結果を人権擁護委員会で分析・検討し、園としての評価の総括を行うことになっており、定期的に年1回実施されています。評価結果は、ホームミーティング等において、利用者や家族に開示されるとともに、「介護支援等評価報告書」として、県の所管課へ報告されています。

 

 

○県の施設であることから、管理者には県の「人事規定」「服務規程」等に、その役割・責任が明文化されています。園における対応としては、「事務分担表」を作成し、副園長以下の各担当者の役割等を明示されています。

 

 

○県の主管する研修や勉強会への参加が計画的に実施されています。例えば、サービス提供管理責任者になるための講習の受講等により、その成果を取り入れる努力をしている。また、サービスの質の向上や業務の効率化と改善のため、積極的に職員からの提案等を受ける仕組みを構築し、具体的な重点目標の設定により、その実現を図っている。それらの対応が、園内研修の5つのプロジェクト(詳細は独自に取り組んでいる点に記載)として形となって表れています。

 

 

6.職員の資質向上の促進

○県職員としては、自治総合研究センターの計画に従った人材育成計画の他に、園としての独自な取り組み(上記のプロジェクト等)が、園内に設けられた研修委員会において行われています。外部研修については、参加者の報告会及び復命書等の回覧により、ケースワーク技法や基本的な面接技術が、各職員に周知されています。また、実習生の受入れも積極的に実施されており、「実習生(研修生)受け入れ要領」に従って、各担当者が実施しています。

 

 

○人事管理に関しては、県としての方針が優先するが、園として必要な人材や人員体制に関し、園の課題(例えば、地域支援活動に関する新規事業計画等)を考慮した対応が行われ、有資格職員の育成等に力を注いでいます。人事考課に関しては、「神奈川県人事制度改革プロジェクト」において、人事考課の仕組み作りが検討されています。

 

 

○職員の労働条件(有給、時間外労働等)は、定期的にチェックされ、分析されている。また、職員の意見や意向を把握するため、定期的な個別面接や園内における相談体制が設けられ、気軽に相談できる雰囲気作りに努めています。職員の福利厚生は、県職員としての対応が主であり、園としては専用食堂や休憩室整備等、作業環境の改善に努めています。

   
評価詳細(PDF 68.1KB)へリンク