社会福祉法人 惠伸会 サン・キッズ湘南 PDF 印刷 Eメール

総 括

評価機関名株式会社 学研R&C
評価実施年月20096月 ~ 20102
公表年月20102
対象サービス保育所
対象事業所社会福祉法人 惠伸会 サン・キッズ湘南
所在地254-0026 平塚市中堂8-10

総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

≪施設の特色≫

 

 当園の母体企業では、冠婚葬祭やホテルなどの事業を経営しています。当法人でも高齢者施設や系列の保育園を運営しています。近隣は古くから住む住民と新しく転入してきた住民が入り混じり、自治体活動などはそれほど活発には行われていない状況です。近くには、市の事業として住民参加型の地域生活支援活動やふれあい交流などを行う拠点である、福祉村があります。

  

《特に優れている点》

  

○延長保育、夜間保育、休日保育を行い保護者の就労の強い味方になっています

   当園は、平日は午前7時から午後10時まで(昼間保育は午前7時から午後6時、夜間保育は午前11時から午後10時)、休日は午前8時から午後6時30分まで、365日開園している保育園です。平日は延長保育を利用することもできます。夜間保育に登録している子どもは、必然的に登園時間が遅くなりますが、そういったことにも対応しています。また、休日保育も行っているため、土・日曜日が出勤の保護者にとっての拠りどころとなっています。365日開所しているため、家庭以外での生活の場を統一することができ、子どもと保護者の大きな安心につながります。保護者アンケートの自由意見にも、「長い時間あずけていても安心できると思っています」「一緒に子育てをしてもらい、園長先生をはじめ先生方には、家族の一員のように接することができます」「園での生活や先生方の対応に関しては非常に満足しています」など、園に信頼を寄せる声が見られます。園全体が一丸となって、子どもが安心して過ごせる環境の提供に努め、保護者の就労支援として強い味方になっていることがうかがえます。

   

○廃材を使って工夫した造形活動に取り組んでいます

 

 

 当園では造形活動を計画的に取り入れ、作品展で保護者に発表する機会につなげています。そのなかでも、廃材を利用したユニークな作品がたくさんあります。例えは、家の取り壊しで不要になった障子を寄付してもらい、5歳児がそこに文章を書いて飾ったり、ペットボトルのキャップを利用して、魚をかたどり水族館を作ったり、新品のワイシャツの間に挟まっている透明の板と画用紙を使って、動かすと絵が変わる不思議なアートに大変身させたりしていました。子どもたちが一つ一つ作った時の様子を説明してくれて、楽しく作った様子もうかがえました。

 

○限られた施設環境を有効に利用しています

  

 当園は土の園庭がない代わりにテラスと屋上が園庭になっています。屋上やテラスにはブランコや太鼓橋などの固定遊具のほか、1階から3階までの高さを利用した滑り台があります。もちろん落下防止のための安全対策も万全にされています。1階には砂場も設置され、子どもたちが開放的に遊べる環境を設定しています。同法人運営で隣接する高齢者施設の利用者が、すぐ近くで子どもの遊ぶ様子を毎日見ることができ、子どもたちも近所のおじいちゃん、おばあちゃんに接するように気軽に声をかけています。廊下には大きな吹き抜けがあり、陽光をたくさん取り入れる工夫がされて園内が明るく感じられます。

   

《今後の取り組みに期待したい点》

  

○個人情報の取り扱いやプライバシー保護について、さらなる周知、徹底を期待します

  

 「個人情報保護に関する基本方針」が作成されており、職員会議で周知しています。園内各所に掲示もされていますが、保護者への案内がこの掲示のみにとどまっています。今後は進級の説明会などで説明することや、個人情報使用の同意書の取得などを検討されることを期待します。また、守秘義務については入職時に園長より職員に説明しています。ボランティアや実習生に対しても、オリエンテーションで説明しています。今後は、誓約書の導入を検討されることを期待します。

   

○各種マニュアルを活用し、さらなる業務の標準化に期待します

  

 当園には各種マニュアルが整備され、子育て支援室(職員室)に保管されています。今後は使用頻度の高いものや重要部分、特に現場で必要とされる部分などを抜き出し、個々の職員に配付したり、各保育室に常備したりして、さらにマニュアルを活用しやすくされることを期待します。

  

評価領域ごとの特記事項

1.人権の尊重

 保育理念、保育方針、保育目標が1階ホールをはじめ、園内各階に掲示されています。保育目標の「丈夫でたくましい子ども」「仲良く遊べる子ども」「思いやりのある子ども」を保育の基本と考え、園長はことあるごとにわかりやすい言葉を使って、昼礼で職員に話しています。

 

 職員は保育目標に沿った保育を実践するために、散歩や戸外遊びを通して体力増進を図ったり、異年齢保育を取り入れて仲間意識が育つように配慮したり、自分で遊びを選べるようコーナーを作ったりしています。職員会議を通して、子どもへの声かけ、接し方などは常に検討、改善しています。今年度は特に、県から職員向けに「人権チェックリスト」が配付され、当園でも日常の保育の振り返りに役立てました。子どもの呼び方は「ちゃん」「くん」を付け、呼び捨てにしないことなどは、以前から職員間で確認し徹底しています。

 

 各保育室は、とても広く友だちの目を気にせずに過ごせる場所もあります。また、職員の休憩室、支援室や遊戯室などを利用して、必要に応じて1対1で子どもと話をできるようにしています。子どものプライバシーを守る空間が用意されています。

 

 守秘義務については、入職の時に園長より説明しています。ボランティアや実習生に対しても、オリエンテーションで説明しています。

 

 「個人情報保護に関する基本方針」が作成されており、職員会議で周知しています。園内各所に掲示もされています。

 

 虐待について外部研修に参加し、理解を深めています。今年度は「虐待を受けた子どもと家族への心理的ケア」というテーマで外部研修を受講し、研修報告書を職員間で回覧して情報の共有をしました。

 

 虐待が疑われる場合、園長、主任に報告し、園長は、市の家庭児童相談室や児童相談所に連絡をします。その後、必要に応じて、関係者会議などへ出席する体制を整えています。

 

 遊びや持ち物、服装など性別での区別はしていません。5歳児が飼育しているカメは、オスがみかちゃん、メスが亀吉といいますが、担任保育士は、子どもがせっかく付けた名前だからと特に変更していません。名簿は男女で分けず、生年月日順になっています。性差による先入観については、職員会議などで園長が時々話題にし、意識の確認をしています。

 

 
2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 園舎は3階建てになっていて土の園庭の代わりに、屋上やテラスのスペースを大いに活用した園庭になっています。屋上やテラスにはブランコや太鼓橋などの固定遊具のほか、1階から3階までの高さを利用した滑り台があります。もちろん安全対策もされています。1階には砂場も設置され、子どもたちが元気に遊べる環境を設定しています。各保育室はとても広く、コーナーが常備されているところもあります。一斉活動に偏らないよう、一斉活動と自由遊びのバランスを大切にしています。発達に応じたおもちゃや教材、楽器、絵本は子どもが自由に取り出せるようになっており、自主的に遊びを選択できる環境作りをしています。

 

 近隣は自然に恵まれており、屋外への活動を積極的に取り入れています。散歩中に季節を感じる木々や植物に触れ、年齢に応じた活動に展開しています。日々の保育のなかで自然物(葉、木々)や廃材(障子、障子紙、段ポール、ペットボトルなど)を活用した創作活動を活発に行っています。健康増進の一環としてはだし保育を実施しており、土踏まずを作り、足の裏の感覚を養えるよう推進しています。

 

 1階のフリースペースでは、3~5歳児は年に2回、1週間の期間を設けて異年齢保育を行っています。グループを4つ作り、昼食や散歩や遊びを一緒に楽しみます。また、4、5歳児が2、3歳児の午睡後の布団片付けや着替えのお手伝いをしています。夜間保育をしていることもあり、毎日異年齢と過ごす機会があります。子どもは、担任以外の職員とも関係ができています。

 

 同じ法人の施設(学童クラブ、高齢者施設、ホテルなど)とも自由に行き来し、世代間交流も保育に取り入れています。また、地区の福祉村を訪問して地域の高齢者とふれあう機会も設けています。

 

 近隣の公立保育園や、姉妹園を訪問する合同保育も、毎年の恒例行事となっており、動物に触れたり、稲刈り体験など継続的に行われています。市の公民館で開催される福祉まつりや市内保育園絵画展に毎年子どもたちの作品を出展し、見学にもでかけています。 

 

 地域のプロサッカーチームが主催する保育園交流サッカー大会に参加し、日ごろの練習成果を発揮するとともに、他園との交流を深める機会ともなっています。

 

 
3.サービスマネジメントシステムの確立

 保育課程の作成にあたっては、今まで使用していた保育計画をもとに保育課程の原案を園長が作り、乳児ミーティング、幼児ミーティングでそれぞれ話し合いをして、園の実情によりあったものになるようにしました。当園は学童保育を併設しているため、学童を含めた小学校との連携もうたわれています。保護者の実態に即すというところでは、22時までの延長保育を行っているため、保護者との日頃からのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を構築していくことを掲げています。入園のしおりの中に「基準保育計画表」として保育課程を保護者が見やすくコンパクトにしたものを掲載し、進級式の日に保護者に説明しています。年齢ごとに保育課程に基づいた年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。

 

 障害に関する外部研修に毎年積極的に参加し、最新の情報を得ています。園舎は3階建てで、屋上が園庭になっています。玄関を入るとすぐにエレベーターが設置され、階段には、高さの違う手すりが2本取り付けられています。また、多目的トイレも設置しています。関係機関と子どもに対する情報のやり取りをするときは、必ず事前に保護者に同意を得ています。

 

 食物アレルギーのある子どもは、保護者に確認をしてもらい、個別の献立を作成しています。代替食を提供する場合は、見た目にも配慮しています。

 

 要望・苦情の受付担当は主任が行っています。「ご意見・ご要望解決の仕組みについて」が園内各所に掲示され、第三者委員も掲載されています。第三者委員の住所と電話番号が載っていて、直接連絡ができるようになっています。ご意見箱が玄関に設置されています。今後は、権利擁護機関など他機関の苦情解決窓口の紹介を期待します。「苦情解決体制および運営要綱」が整備され、それをもとに対応しています。必要が生じた場合には、第三者委員を交えて話し合いができる体制にしています。

 

 健康に関するマニュアルや感染症に関するマニュアルが整備されています。保護者への説明・プリントの配付も入園時に行っています。発症時には混乱を招かないよう迅速な対応をしています。インフルエンザなどの最新情報についての提供もあり、欠席状況についても各クラスのホワイトボードに掲示しています。嘔吐物処理キット(バケツ、新聞紙、使い捨てエプロン、手袋、マスク)は、各クラスに設置してあります。

 

 対策として、地震防災計画や連絡体制・防災組織図を完備しています。避難訓練は、月に1回実施し、その中に遊具の安全確認や通報訓練・不審者侵入体制訓練が組み込まれています。AEDの設置があり、年に1回職員が研修を受講しています。保護者への連絡は緊急連絡簿が整備されています。

 

 

 事故や怪我についてのマニュアルもあります。救急機関の一覧表の掲示もあります。再発防止としては、ヒヤリハットを作成し、職員会議で話し合いの機会を設けています。

 

 
4.地域との交流・連携

 園独自のホームページが開設され、詳細なサービス情報が常時発信されています。また、ローカル情報誌などにも園の紹介記事を掲載し広報活動が活発に行われています。

 

 利用希望者からの電話による問い合わせには事務職員が対応し、見学ができることを伝え、日時は見学希望者の都合に合わせて設定しています。来園時には、パンフレットなどを適宜配付し詳しい情報を提供しつつ、利用にあたっての相談に応じています。

 

 当園では地域子育て支援事業として、園開放や一時保育を実施しています。親子参加の形で実施している園開放は、子どもばかりでなく保護者交流の場としても好評です。園開放の日には、地域住民からの育児相談も受け付けています。

 

 園行事を開催する際には自治会会長を通じて地域住民を招待しています。また、園開放などで園を訪れた地域の保護者にも声をかけ、参加を歓迎しています。

 

 園には学童保育室が併設されているため小学校との連絡はよく行われています。中学校、高校から職業体験の場として園に依頼があった場合には快く協力をしています。ほかの公立保育園や姉妹園への訪問や交流保育は毎年の恒例行事となっており、継続的な交流が行われています。

 

 定期的に読み語りボランティアの方が来園し絵本の読み語りや紙芝居、手遊びなどを披露しています。またパソコンボランティアの方に子どもたちはパソコンを使ったゲームや塗り絵のやり方を教わり、ふだんできない体験を楽しんでいます。

 

 市の社会福祉協議会発行の「ボランティアガイド」には当園のボランティア受け入れ情報も掲載され、社協のボランティア研修受講者からボランティア希望が寄せられることもあります。

 

 地域療育センターや児童相談所、ことばの教室などの関係機関とは相談内容に応じて日常的な連携ができています。園長が窓口となり、ケースに応じて機関から担当者が来園し対応が取られています。

 

 
5.運営上の透明性の確保と継続性

 「就業規則」では職員としての服務規律が定められ、規律に違反した場合の懲戒の基準も明示されています。職員に配付される「保育士の手引き」では、保育の心得の中で守秘義務などの職業倫理についても言及され、周知が図られています。

 

 事業運営に影響のある情報は主に園長が収集、分析を行っています。保育所保育指針の改定にあたっては、園長が情報を収集し新しい指針に沿った保育課程の原案を作成しました。これを基に乳児会議や幼児会議で職員が検討をし、さらにクラス会議で再考を加え、職員全体で試行版を完成させました。運営面で重要な課題が発生した際には、園全体として取り組む体制にあります。

 

 月1回開かれる職員会議や乳児会議、幼児会議には園長および主任も出席し、園の保育方針や目標に沿った保育が実行できているか振り返りが行われています。

 

 父母会役員会が行うアンケートを通じて、保護者から行事についてのアイディアや要望を吸い上げ、費用負担が発生するものについては特に慎重に意見を聞くようにしています。また、施設内の設備などに変更を加える場合にも保護者に説明を行い理解を求めています。

 

 「エコ対策計画」には節電や節水の心がけやゴミの分別、資源ゴミの有効活用が明記されています。ゴミ分別箱の近くには子ども向けの啓発ポスターの掲示も行い、取り組みは明文化され運営に活かされています。

 

 事業の方向性や次代の組織運営については、法人の理事会および幹部職員、姉妹園園長との合議により決定される体制となっています。

 

 現職員が外部の施設長研修や主任保育士研修に積極的に参加し、後継者の育成は計画的に行われています。

 

 運営については、法人本部による内部監査の実施に加え、外部の監査法人による会計監査も行われ専門家の意見を取り入れる体制となっています。

 

 法人本部のホームページでは、法人全体の決算報告書を閲覧することができ、経営状況が一般に公開されています。

 

 
6.職員の資質向上の促進

 年間研修計画は外部研修会の開催情報をもとに園長が作成しています。担当する職務への必要性および参加回数の職員間バランスを考慮しつつ常勤職員の中から参加者が決定されます。参加職員は研修報告書を作成し、内部研修として職員会議の中で研修報告を行ったり、研修報告書を職員間で回覧するなどして研修成果の共有を図っています。また、法人施設内研修として関連施設でのマナー研修や同法人運営の高齢者施設において保育士が介護実習を受けるなどの取り組みも行われています。

 

 職員の配置については常勤職員と非常勤職員それぞれの適性や業務経験を考慮して組み合わせを行い、担当クラスの特性に合った配置を行っています。非常勤職員には担当時間帯のデイリープログラムが配付され、いつ何をするべきかを的確に理解し自ら行動できるようになっています。

 

 「考課表評価基準」が主任や一般保育士などの職責別に用意され、人事考課に使用されています。園内業務を4項目に分類し、それぞれの項目ごとに職責に応じて期待される達成度が6段階評価で明示されています。

 

 「職員役割分担表」において園長や主任、保育職員、事務職員、調理職員といった職務別に役割分担が列記され、職員にはそれぞれが果たすべき役割が明確に提示されています。

 

 年度末には職員に個別アンケートを行い、一年の反省や翌年度の勤務の希望、園運営への意見や要望を提出してもらい、職員の満足度や要望の把握に努めています。

 

 一層のサービス向上を目指す工夫として、経験豊富な職員が新人職員に対して事例を用いて取るべき対応を考えさせ、それによって想定される結果や理由を解説し、適切な業務の道筋を理解させていく取り組みが行われています。

 

 実習生の受け入れは園長および主任が担当し、実習内容によってはクラス担任が指導を担当することもあります。実習生にはマニュアル「実習生としての心得」を配付し、実習上の注意点を説明しています。養成校や本人の希望を聞きながら目的に応じた実習が行えるようにプログラムを工夫しています。 実習生からは休憩時間や実習最終日に感想や意見を聞いたり、実習記録の内容に基づいて、意見交換を行っています。

 
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