戸塚区 高齢者介護総合センター 聖母の園 PDF 印刷 Eメール
 
評価機関名 社会福祉法人横浜市社会福祉協議会 横浜生活あんしんセンター
評価実施年月 2006920071 公表年月 20073
対象サービス 特別養護老人ホーム 対象事業所 高齢者介護総合センター聖母の園

〔施設の概要と特色〕 

○経営母体である社会福祉法人「聖母会」の歴史は古く明治30年頃のハンセン病救済事業に始まり、北海道から奄美大島に至るまで全国各地に老人福祉、児童養護・保育、医療、助産施設を経営する大きな法人です。 

○理念はカトリック精神の“最も苦しんでいる人に手を差し伸べる”ことで、“奉仕の心を失ってしまったら、私たち法人の存在意義はなくなる”と施設長は語っています。 

○「聖母の園」は高齢者介護総合センターとして、特別養護老人ホームのほか、デイサービス、ショートステイ、配食サービスを行っており、また、居宅介護支援事業や養護老人ホームの運営も行っています。その他、指定管理者として、横浜市原宿地域ケアプラザの運営も行っています。場所はJR戸塚、藤沢、大船駅からそれぞれバスで約20分ほどです。住宅街にありながら、手入れの行き届いた芝生と樹木のある広い敷地に、蓄熱暖房、太陽熱・雨水利用など省エネにも先進的に取り組んだ建物です。敷地内にはそれぞれ独立して建つ礼拝堂、修道院、保育園をはじめ隣接してクリニックもあります。

  ○どの居室も庭に面していて明るく、窓から外の新鮮な空気を取り込むことができます。室内には、家族の写真やぬいぐるみなどの私物が持ち込まれて、自分の部屋という雰囲気造りがされています。床は居室や廊下ともカーペット敷きで、足触りが柔らかく音も静かです。施設内にはトップライトの高い天井で明るくゆったりした共有スペースがあります。ここには約30人分のテーブルと椅子があり、コーヒーを飲んだり、新聞を読んだりそれぞれ思い思いくつろげる場となっています。さらには、誰でも入って祈るなど、静寂の時間を作ることのできる小聖堂もあります。 

○施設長は常に利用者、職員のいるところへ出て、自分で状況を体得し、また直接利用者と対話をして意向、希望を聴いています。職員は“笑顔と挨拶”を常に心がけ実行しています。また、生活相談員は現場で介護実務を経験した後で任命される仕組みになっています。 

○利用者本人調査からは“ずっとここで暮らしたい”という声も多く聞かれ、また、家族と施設とのコミュニケーションもよく、家族調査の回答割合が80%近くであることからも施設への関心度がかなり高いことが伺えまた、その中での95%近くの家族からは施設への満足度が高い回答がありました。

 

  特に優れていると思われる点 

①利用者の身体機能と嗜好に配慮した、多彩な食事提供 

   一般的な身体介護を「体の外側からのケア」とするのに対して、食に関する支援を「体の内側からのケア」として重視し、三つの側面から多面的に支援を実施しています。 

○1つ目は、利用者の嗜好に応じた食事メニューの実践です。食事アンケートや利用者との話し合いを通じて意見と要望を把握し、また、個別の記録により、個々の嗜好や既往歴などを記録し日々の食事に反映させています。「居酒屋」や月1回の選択食、バイキング食が出る「クリスマス昼食会」などのイベントメニューのほか、嚥下等が困難な利用者用の刻み食やピューレ食などは、食材の形状を維持しにくい場合でも、その風味を視覚的に食材の形状を復元して提供するなど工夫しています。調理もこの施設で20年以上のベテラン調理経験者が中心です。また、全利用者に栄養マネジメント(個々の身体状況に合わせた栄養改善プラン)を実施しています。これらは「給食委員会」とは別に栄養士・調理師・看護・介護職員が参加する「食彩の会」で検討され、日々改善を続けています。 

○2つ目には、食事環境面に配慮した取り組みです。「食材と食器の調和」を重視し、様々な形状や柄の強化磁器を採用するほか、季節行事に合わせて漆器も準備し、食欲増進のための工夫を行っているほか、食堂は季節の花などを飾付け、食事を楽しむ雰囲気作りに配慮しています。また、自力で摂取出来るよう、利用者の身体的機能形態に合わせて様々な自助具を採用しています。これらは、「食彩の会」とは別に「食事委員会」で検討され、実施されています。 

○3つ目には、食事を通じた機能回復の取り組みです。半数以上の利用者が嚥下に課題があり、ST(言語聴覚士)のほかに理学療法士や介護職員が参加して、嚥下・咀嚼機能の診断(スクリーニング)、口腔ケア・口腔リハビリ・口腔アイシングなど機能回復のための努力をしています。これらの職種の連携・支援により、当初経管栄養だった利用者が経口摂取になったという改善事例もあります。これらは「食事・ST委員会」で検討し、対応を行っています。 

○乳酸菌飲料メーカーと協力して、利用者の腸内環境を調査した結果、“利用者の大半が実年齢よりも大幅に若い胃腸年齢であった”というエピソードもあります。 このように、3つの「食事に関する検討部会」の活動を通じ、食事ケアについて日々多面的に検討し実践する取り組みは、大きな特色です。 

 

きめこまやかな一人ひとりの希望に添ったターミナルケアの実践 

○カトリック精神に基づくターミナルケアの理念・方針を明確にし、信仰の異なる利用者でも、その人と家族の希望に応じ、積極的にターミナルケアの受け入れをしています。「看取りに関する指針」を制定し、ターミナル期における栄養・水分摂取や保清、苦痛緩和についての手順や、家族へのケア、看取り体制と各職種の役割についても明確化し、職員間で共有しているほか、一連の介護・連絡体制をフローチャート化して、緊急時のスムーズな対応を実践しています。施設嘱託医である内科診療所が隣接しており、日常の医療対応はもとより、ターミナル期の急変時等にも対応して、積極的なターミナルケアの実施を可能にしています。 

○また、施設の特性を生かし、神父やシスターの講話なども聴くことができ、希望や状況に応じ、本人・家族の精神的ケアにも対応しています。家族の宿泊ができる娯楽室・相談室などを随時開放し、食事提供も実施して、最期のときを共に過ごせるよう配慮しています。信仰が異なる場合であっても、入所をはじめターミナルケアにおいても、限定的な信仰を勧めることはなく、あくまで利用者・家族の希望に基づき、実施しています。現在、入居者のうち、カトリック信仰のある方は2割程度です。園内の礼拝堂や小聖堂のほか、園庭には納骨堂もあり、希望に応じ納骨も受け入れています。なお、毎年11月には追悼ミサがあります。カトリック修道会を起源とする独自性や永年の福祉活動の経験と伝統を生かし、看取りから追悼、葬儀から永代供養に至るまで、福祉施設の枠を超えた奉仕精神を実践しています。

 

  ③地域やボランティア(実習生)に開かれ、共に歩む施設運営 

 ○法人理念の中に「地域福祉の向上」を掲げ、地域に開かれた施設としての運営に努めています。また、施設長の「施設にあるものは何でも提供する」というモットーで地域の人々の求めに応じ、施設の有する備品やスペース、人材などを随時提供しています。 

○広大な面積を持ち、ボランティアの協力により整備された園庭には、テニスコートや屋外バーベキュー用のグリル、ベンチも設置されており、随時貸し出しています。聖母祭や納涼会、クリスマス会などの施設行事には、積極的に地域住民を招くほか、地域の幼稚園や小学校等の児童の訪問を受け入れ、地域交流も盛んです。テント・綿菓子機などの備品貸出や、近隣中学校の体験学習では、車椅子の貸し出しに加え説明職員の派遣も行っています。 

○その他の特徴の一つとして、多数のボランティアの受け入れが挙げられます。平成17年度の登録数335名、延べ活動人数8,500名にのぼる実績があります。活動内容は、洗濯物の管理、シーツ交換、ピアノ演奏やレクリエーション活動のほか、コーヒーカウンターの運営や、自身の絵画作品を提供する画家ボランティア、園庭の整備・剪定ボランティアもいます。ボランティアの定着率も高く、施設に長年貢献するボランティアも多数存在し、職員の接遇や対応にアドバイスを受けることもあり、時として第三者的な役割を果たしています。実習生の積極的な受け入れも実施しており、平成17年度の実績は、養成機関31校・888名となっています。介護福祉士はもとより、社会福祉士、ホームヘルパー、看護師など、医療・福祉分野の人材育成に貢献するとともに、施設に第三者を入れることで、閉鎖的になりがちな施設運営の透明性確保に努めています。 

○事業運営でも、事業計画書・事業報告書を、施設職員や利用者家族に配布するほか、施設運営に関する情報公開に応じて、配布や閲覧が出来るようになっています。事業報告書の内容は、具体的で実績や各委員会活動・会議の結果報告などを豊富なデータを付けて具体的に開示されています。 このように、積極的な施設機能の提供や地域との交流を通じて、施設運営の透明性を確保し、利用者本位のサービス提供の実現と、開放的な運営の実施に努めています。 

 

特に工夫や改善などを期待したい点

   ①マニュアル・資料類を使いやすくして、よりよい介護・看護手法の継承を 

○職員誰もが同じレベルの介護・看護をするためのマニュアル類は豊富に揃っています。また10種類を超える個別専門委員会で、それぞれの分野によるマニュアル・資料の見直しや改定も行われています。 

一方、ファイルの中をみると、内容が多すぎたり見出しがないためどこに見たい部分があるか探しにくいものや、コピーの重複もあります。ケースファイルなど1人に2,3冊ありますが、個人名の背表紙と色だけで内容の種類や使い分けがわかりにくいものもあります。 また、多くのマニュアルは作成時のままで使われた形跡が乏しかったり、書き込みやメモ類の添付など現場で発生した情報の書き込みが少ないようです。 

○マニュアル類は「手法を知るための部分」、「説明資料」、「参考資料」に分け、重要度や緊急処置のものは優先した順序に編集することが望ましいと考えます。また、タイトルを記入した「インデックスつき仕切り」を挿入すれば、さらに索引が容易になると考えます。ケースファイルも先に「インデックスつき仕切り」を挿入しておけば、人によって「生活暦データ」が足りないなど資料・データの過不足などがわかりやすくなるように思います。 

○「看取りに関する指針」は厚生労働省の資料を切り抜きコピーしたものを編集し、手書きの副題もつけてあります。「看取り介護の流れ」は必要個所にマーカーペンで色付けがしてあり、手書きの書き込みや施設長へ意見具申する内容まで追記してあります。資料をマニュアル化し、自分たちが使いやすい道具にしている好例もありますので参考になると思います。

 

  ②自分たちの望む2,3年先の姿を見える形に 

○単年度の事業計画は綿密に策定され、各部署における毎月の目標や反省にまで展開し、実行されています。一方、35年の中長期計画の構想はあるが、国、市、区の計画が決定しだいそれを反映して策定する予定になっています。 

○また、人材育成については、各業務内容を設定し、その役割を明確にしていますが、一人ひとりの職員が役割を果たすために必要な能力、資格などの要件を定めるまでに至っていないことが惜しまれます。日常の研修は豊富なプログラムが用意され、常勤、非常勤の区別なく多くの職員が参加しており、個人目標の設定と評価も毎年実行されています。 

○ここで、自分たちが望む2,3年先の姿を“「中期計画」と言う、より見えるかたち”にしておくことが必要であると思います。外部環境の変化は常にあるものと考えて、変化が出たときに計画を軌道修正することで対応されることが望ましいと考えます。将来像を見える形にすることで、その実現に必要な人材、資質・能力さらには、必要な育成、研修計画なども効率よく設定できるように思います。職員も自分たちの目標が計画に沿って、成果に結びつくと理解されれば、一層のモチベーションの向上につながるものと考えます。 職能要件や資格要件などは系列他施設のものを参考にするなどの取り組みを期待します。

 ③見慣れたところも、ときには違った視点で改善を 

○寮母室の前に何人かの施設の利用者が集まってテレビを見ています。ここは廊下の一部で、近くに車椅子の格納場所もあり、長時間をくつろいで過ごすにはなじまないように思われます。食事をはじめほとんどのサービスのレベルが高いだけに、気になりました。また、災害発生時の避難通路の確保にも影響があるように思われます。 

○また、フロア(パンチカーペット)の色や照明をやわらかい雰囲気のものにしたり、仕切りフェンスも少し飾ったりするなどの工夫も考えられます。 

○利用者の家族以外にも、ボランティア、地域、実習生など数多くの外部の人の来訪があります。ときには、第三者としての視点での点検を依頼するのも一案かと思います。  

評価領域ごとの特記事項

  人権への配慮 

○個人情報保護に関する内部研修会を開催し、職員の守秘義務について、理解・浸透を図っています。

○個人情報の保護について職員、実習生、ボランティアからそれぞれ個別に誓約書を取得しています。さらに、職員には「職員用・個人情報に関する誓約書」で個人情報の取扱い方法や責任の所在について明文化するほか、「個人情報に関する誓約書ファイル」で誓約日と誓約状況について一覧表を管理しています。

○身体拘束を実施しない方針を掲げ、施設の運営規程、重要事項説明書、施設利用契約書に明示しています。また、利用者・家族に対しても、施設入所時にその旨を説明しています。

○職員の教育・研修は、園内研修で実施するほか、虐待防止についても定期的に研修を行っています。新人職員に対しては、入職時の新人研修で、カトリック精神に基づく人権尊重・権利擁護や、言葉使い等の接遇・マナーについて教育をしています。施設内で活動するボランティアからも、職員の態度や言動について意見を聴取しており、介護主任を中心に、必要に応じて注意しています。他施設での不適切事例も新聞記事のコピーや各行政機関からの通達文書等を教材にしたり掲示したりして周知・徹底を図っています。

○成年後見制度・地域福祉権利擁護事業は、施設相談員を窓口に情報提供を行うようにしています。また、施設玄関に成年後見制度のパンフレットを準備し提供しています。成年後見制度の実施事例はないが、関連施設である「横浜市原宿地域ケアプラザ」と情報交換・連携を実施し随時関係機関と連携出来る体制を確保しています。

 

  利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援

○法人の理念は、カトリック教に基づき「愛と真理に基づき最も困っている人々に手を差し伸べる」となっており、理念は玄関や寮母室にも掲示してあり、職員もおおむね内容を理解しています。また、事業計画の方針や目標は、各部署や各委員会のサービス方針や計画に連動されており、さらには毎月の目標と反省へと組織的に展開されます。事業計画書は職員全員に配布されています。

○理学療法士が毎週1回リハビリのメニュー作成および指導を行っておりさらに、他のボランティア的な理学療法士からの支援も受けています。また、言語聴覚士による嚥下指導、呼吸法やアイシングによる嚥下改善、食事・調理(トロミ量など)の助言も月2回あります。その他に、理学療法士が居室に来て具体的な助言もしています。

○利用者の状況はパソコン上の日誌に入力・記録される仕組みになっており、個人別ケース記録へも自動的に転送され、職員は口頭申し送りの他に毎日パソコンで情報を確認しています。さらにパソコンデータのプリントアウトしたものが回覧され、情報の迅速な共有化が行われており、これにより日常の小さい変化にも即応できるシステムです。

○建物は段差がないバリアフリー設計で電動ドアのトイレも設置されており、居室から園庭に出るわずかな段差(雨水溝)にも金属製スロープが設置され、また廊下やトイレ内部も十分なスペースが確保されています。

○医療対応では、「入退所要綱」に医療依存度の高い人の受け入れを明記してあります。

○食堂は、季節ごとの飾り付けのほか、園庭の花を飾っています。昼食時には、あえて音楽は流さず利用者同士の会話に配慮しています。おやつの時は音楽を流すほか、ボランティアによるピアノの生演奏を聞くこともあります。

○ お花見や夕涼み会など四季折々のイベントや誕生会・喫茶会を毎月開催し、季節感のある食事を提供しています。利用者の要望で“居酒屋”を開催したり、クリスマス昼食会での種類豊富なバイキング食、冬には鍋物も提供されています。また、毎月第4月曜日は選択食になっています。

○居室にはスペースの許す範囲で私物の持ち込みができ、個人用テレビも設置可能です。希望があれば施設所有のテレビの無料貸出しも行っています。また、1名の新聞個人購読者がいるほか、施設として利用者用の新聞を購読・提供しています。髪型・服装は、自身の好みで選択出来るほか、利用者自身での選択が困難な場合でも、家族の意向を確認し対応するなど、その人らしさに配慮しています。整容は、理髪店の月2回来訪があり、カット、毛染め、パーマができるほか、外出時に床屋や美容院へ行く人もいます。

 

  サービスマネジメントシステムの確立

○食堂に意見箱があるほか、職員は笑顔や挨拶でいつでも苦情や要望を話しやすい雰囲気作りに心がけています。また窓口となる相談員はここでの介護実務の体験のある職員が任命される仕組みになっているため現場状況をよく把握しており、本人や家族も安心して相談できる環境にあります。家族会総会議事録には、家族の率直な苦情や要望が記録されています。毎月「利用者との話し合い」を持ち、要望や苦情を聴く機会を設けています。

○入所の日時設定は、事前のアセスメント時に確認し介護者の都合や希望の日時を聞いて行っています。おおよそ午後2時~3時を基本に、介護者・家族の都合に合わせ柔軟に対応しています。また、職員の勤務シフトの方を変更して、土日祝日でも受け入れ可能な体制を取ることもあります。

○一覧形式の「バイタルチェック表」があり、体温、血圧、脈拍、呼吸、血中酸素濃度などを測定し、記録しています。月1回の体重測定や、採血、採尿、採便も行っています。また、利用者ごとに健康管理・医療情報は、看護師が作成する「医療ケース記録」や、医療機関からの情報提供書、薬剤(処方)情報、各検査データ、食事伝票等をファイルに集約して、情報共有化をしています。ファイル巻末に緊急連絡先が貼付してあり、緊急時の対応がスムーズとなるよう工夫してあります。 

 

  地域との交流・連携 

○地域ニーズは電話での入所相談問い合わせなどから実態を把握するようにしています。横浜市社会福祉協議会主催の「施設運営研究会」や「生活介護研究会」に参加したり、地域のサービス担当者会議で地域のニーズ情報を得ることもあります。

○小中高学校生の体験学習、教職員研修、横浜市福祉施設行政職新人研修を受け入れており、さらにはNPO法人の勉強会、主任ケアマネの講習会も行っています。

○関係諸機関との紹介として、「戸塚南部介護サービス事業者リスト」が玄関のラックに置いてあります。職員や家族、外来者でも自由に見ることができ、担当は「管理規程」の職務・職務分掌に、主任相談員、相談員が位置づけられ、毎年事業計画策定時に人選されます。ここでボランティア担当や防災担当も決められ、地域の会議などに参加しています。町内会会長に広報誌配布を依頼できるのも地域連携の一例です。

○地域のふれあい祭や運動会に参加しており、共用車を使って地域の大手スーパーやファミリーレストランへ出かけることもあります。地域の理美容院への送迎もしています。「利用者行事予定表」の中で職員の援助業務をあらかじめきめ細かく決めて計画的に行動するようにしています。

○施設長は常に利用者、職員のいるところへ出て、自分で状況を体得し、また直接利用者と対話をして意向や希望を聴いています。そのため、あらためて定期的な機会での直接面接はしていませんが、主任が毎年の職員面接で職員の理解度を確認しています。

○施設長以下幹部職員で構成する「運営会議」を経営方針の説明や重要な意思決定の討議・検討する場として機能しています。参加する主任は事前に利用者、職員の意見を集め、また決定内容を報告する仕組みになっています。

○介護保険制度改正などの重要情報を自力で収集をするほか、契約している会計事務所(2社)からも情報・解説を入手していています。また、全国4箇所にある系列施設との相談員合同勉強会も開いて多角的な検討もしています。

  運営上の透明性の確保と継続性 

○家族会があり、総会(年1回)と役員会(年4回)を開催して制度改正等の情報提供や、各委員会の取り組みについて報告しています。また、全体的な家族との意見交換・要望聴取もこの場で行っています。

○利用者の様子は、個別ケア計画の作成・見直し時の定期連絡のほか、家族の来訪時、利用者の状態変化時などに連絡しています。また、家族との「連絡ノート」を作って、利用者の情報提供と意見交換に活用しています。

○広報誌「聖母の園」を隔月発行して家族に送っています。園内行事の様子や開催案内、制度等の解説のほか「おばあちゃんの知恵袋」という暮しの豆知識なども掲載しています。面会に来られない家族には預り金の出納状況報告時(3ヶ月毎)に電話・郵送等で連絡をしています。また、平成18年度中に法人のホームページと施設のホームページも開設する予定になっています。

○広報誌「聖母の園」は、自治会の手で地域の家庭に配布されています。広報誌やパンフレット「聖母の園」は玄関のラックにも置いてあり、訪れた人は誰でも自由に手に取ることができます。園内行事はポスターを地域に貼り出して案内しています。ホームページは法人全体のものとつながる形で平成18年度中に作成する予定です。毎年敬老の日には、ケーブルテレビの取材訪問があり、雑誌社の取材を受けたこともあります。

○廊下には職員氏名、担当、顔写真をつけた組織表が掲示してあります。サービス料金表は「重要事項説明書」の中に記載し、玄関ラックに置いてあります。広報誌で料金の紹介をしたこともあります。

 

職員の資質向上の促進 

○基本理念・基本方針は、園内研修や新人研修のほか、シスターの講話の機会などを通じ、日常的に説明して、周知を図っています。また、職員の資質向上を目的に、年度初めに、各職員ごとに2つの個人目標(①全体目標、②業務に関する目標)を設定し、年度末に主任と面談して、その達成度の確認・評価をしています。

○研修への参加は、常勤・非常勤を問わず、園外・園内共に受講可能です。施設内に専用の“研修会案内板”があり、各種研修会開催案内の掲示、研修情報の提供を行っています。また、研修費用は、施設の指示による参加は全額施設が負担し、個人希望の研修会でも、交通費を除き、施設が負担して支援しています。受講した研修は、復命書(研修報告書)を提出するほか、園内の研修発表会を通じ伝達講習を行い、職員への共有化に努めています。

○介護支援では、利用者の状況に応じ、専門家の意見を業務に取り入れています。精神科医の助言をもとに、施設内に目印を付け、利用者の認識を高めた事例や、理学療法士からの提言を利用者の転倒防止対策に活かし、改善につなげた事例などがあります。

○業務の改善提案や職員の意見は、各委員会における提案事項や、園内研修アンケートによる職員の要望として集約され、その都度業務に反映しています。利用者の身体状況に応じて自作した機械浴の介助用クッションや、足部の擦れ防止のフットレストカバーなど、補助的な福祉用具の導入などの改善事例があります。また、職員の要望・意見は、個人目標の達成度評価で定期面談する時に確認するほか、日常的に取り上げるようにしています。

           
 評価詳細(PDF 924KB)