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【施設の特色】
1.立地上の特色
・医療法人社団「協友会」が運営する「横浜あおばの里」は、平成16年3月に開設し平成19年4月に22名分を増床した定員総数172名の施設であり、田園都市線市が尾駅からバス10分の南西に遠く山並みを一望にする周りを樹木に囲まれ小高い丘に位置している。
2.サービスの特色
・理念を“利用者の意思、人格を尊重し、その立場に立ったサービスの提供”とし、開設2年後に第三者評価調査を受審した。今回は2回目の受審であり、「サービス向上委員会」、「広く施設を考える会」など10種を超える委員会を開催して、施設全体で計画的にサービスの質の向上に取り組んでいる。
・中長期計画には“特徴ある施設・選ばれる施設”を掲げている。
20年度の計画では“在宅復帰率の向上”を目標に、退所前に利用者の家庭を訪問し。また、日常のリハビリに階段の昇降訓練を入れるなど、退所後の生活にも積極的に取組んでいる。
・利用者の居室は、すべてが外窓に面しており、食堂や広い機能訓練室などの共有スペースも中庭の吹き抜けからの採光により明るい。 建屋の内部は段差のない床、トイレや廊下、浴室への手すりの設置など、全館にバリアフリー構造が徹底している。
・機能訓練室には、パワーリハビリ用に6種類の機器があり、理学療法士の支援を得て利用者の機能訓練に積極的に活用している。また、増築時に、利用者の気分転換やくつろぎだけでなく、地域住民も利用できる露天風呂を2階に、足湯を中庭に設置したのも特徴の一つである。
・年間の4大行事である「美術展、納涼祭、バザー、クリスマス会」の他、ボランティアが指導する音楽リハビリや、利用者と職員が一緒に作るおやつレクなど、多彩なクラブ活動があり、利用者に喜ばれている。
【特に優れている点】
1.関係者の「声」を聴く積極的な姿勢
・施設全体に関係者の声に耳を傾ける仕組みが根付き活動している。
毎日の食事時、管理栄養士と調理師が巡回して利用者の声を聴き、納涼祭、クリスマス会などの行事では、「アンケート」をとって、入居者の満足度調査を行っている。掲示板には「食事満足度」調査の結果を“好きなおかず、食べたい料理のランキング”を、グラフで貼り出してある。
・家族とは来訪時のほか、行事後の「アンケート」や「家族懇談会」、「面会者カード“ご家族など皆様からのちょっと一言”」を利用して要望や意見を聴いている。
・職員からは、年間目標である「チャレンジカード」作成の折、部門長が面接して業務上の問題点や満足度を確認しているほか、法人本部が実施する無記名の「職員意識調査」や、施設が常勤・非常勤を問わず年1回行う「職員意向調査」もある。各部署には、「施設をよくしようBOX」が、会議室には「提案箱」があり、意識調査の集計・分析結果は、勉強会形式で職員に返却し、面接で話し合って研修計画などに反映している。
・外部の声は、「施設運営委員会」で町内会長他、老人会会長、民生委員、主任児童委員、保健活動推進委員から聴取している。また、施設行事では地域の人からもアンケートをとっている。
2.施設一体となった改善活動への取り組み
・中長期計画から個人目標まで一貫した流れができている。
中長期計画には、“特色ある施設・選ばれる施設”と、目標をわかりやすく定めている。平成20年度の年度計画では、現状分析で施設の課題、強み・弱みを確認して、年度目標を定め稼働率、在宅復帰率などにはそれぞれ数値目標を挙げて達成度を評価している。
年度計画では、四半期ごとの実行計画を策定し、各部署、各委員会の20年度目標に受け継ぎ、さらにフロア別、個人別の目標(チャレンジカード)にまで展開している。
・計画の実行・改善へ有機的な組織構成ができている。 施設長・事務長・介護看護部長による幹部会、各部署チーフで構成する運営会議から始まる縦型の情報系統に加えて、それぞれの課題解決・改善をテーマとする専門委員会に「安全対策・身体拘束廃止委員会」、「介護・看護部教育委員会」などを設置して組織的に活動している。
また、在宅復帰、自立支援など広く横断的な課題には、「広く施設を考える会」、「サービス向上委員会」が活動している。
・職員は全員“利用者様第一主義”と書かれた丸ワッペンを胸に着けている。各部署の年度目標は各フロア共有スペースに掲示して、利用者へもアピールしている。品質管理手法であるワークアウトを使ってテーマを設定(平成19年度は、「認知症棟のユニット化」、平成20年度は、「人材確保」)して、テーマ達成への具体的な活動の成果を、職員が法人全体の会合で発表している。“FOR(ために)からWITH(一緒に)の発想へ”という親しみやすいキャッチフレーズもある。
・2回目の第三者評価の受審に向け、全評価63項目の項目ごとに担当者を決め、前回の評価結果を再確認した上で現状の課題を洗い出し、施設の総意として「自己評価票」をまとめている。前回の課題であった「認知症棟居室のキャビネット設置と日用品による生活感の演出や、利用者が気楽に休める造り付けベンチの設置」のように、大きい投資を必要とする改善にまで活かしている。
3.在宅復帰へ向けて各部署の取り組み
・在宅復帰後に施設を転々としないように具体的な視点で取り組んでいる。
・退所後の生活を想定して、復帰する家庭の状況を調査・分析し本人・家族と面談して、希望に沿えるようにアドバイスしている。退所前に介護、看護、リハビリ職員が家庭を訪問して作成した写真入りの「訪問指導報告書」、入所中の生活状況を記録した「生活動作状況表」、「在宅療養のアドバイス」には、ケアマネジャー、リハビリ担当者、介護、看護種が参加して作成している。
・家庭復帰に向けてのリハビリや自立支援に積極的に取り組んでいる。
6種類の筋力訓練機器を使って行うパワーリハビリには、本人、家族の希望も入れた個人メニュー「リハビリ実施計画書」を使い、理学療法士が指導している。家庭での階段を想定した昇降階段訓練を利用者一人ひとりについて行っている。スタッフ紹介の掲示に“歌って元気になりましょう”と手書きのコメントを書き込んで利用者を励ましている。
日常生活支援では、服薬や金銭の自己管理を見守り、おやつレクで一緒に調理するなど在宅復帰後の生活を考えた介護を意識して行っている。
・退所後の生活は、ケアマネジャーが電話で確認するアフターケアも行っている。
【改善や工夫を期待したい点】
1.受付(来訪者対応)をもう一歩前面に
・玄関を入ると、左側の事務室内に受付カウンターがあるが、デスクはカウンターから離れた位置にあり、事務室にいる職員からは玄関を出入りする人の様子はわかりにくい。また、「業務部業務分掌」には、外来者受付対応業務の記載がなく、事務室職員の業務であるかどうかが明確でない。
・カウンターに事務机を設けて、担当部署の誰かがすぐ応接できる体制が望ましい。カウンターの上部にペンダントライトでも吊下げて照らし、カウンターと応接する人の存在をはっきりさせると来訪者にもわかりやすい。
2.家族だけで内緒話ができるコーナーがほしい
・利用者の家族や訪問客は、居室のほかに共有スペースに植栽で仕切った場所のテーブルで会話や食事ができる。また、1階玄関ホールにも植栽で仕切った通所談話コーナーが用意してある。観察したかぎりでは椅子がなくベッド以外に腰掛ける所がない居室が見られた。1階談話コーナーは玄関正面にあって出入りする人の視線を避けられず、落ち着かない可能性がある。
・家族水入らずで、あるいは親しい人同士だけの時間を持てるよう視線を気にせず落ち着ける仕切りが欲しい。
3.基準書・マニュアル類の整理
・閲覧したファイルのタイトルに類似表現が見かけられた。タイトルが「介護・看護手順」、「業務基準・症状別看護」、「看護・介護業務マニュアル」、「看護・介護基準・手順」、「管理基準、看護基準」のファイルがあり、また「職務別業務分掌」ファイルの中に「介護の役割」「業務」や「介護士の業務」、「介護福祉士の業務」と名のつく資料もある。それらの資料を作成した経緯や背景はあるとしても、タイトルは内容を表すものとして同一内容・同一タイトルに整理・統合して簡素化したい。
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