青葉区 柿の木台保育園 PDF 印刷 Eメール

総 括

評価機関名株式会社 学研R&C
評価実施年月2008年 7月 ~ 2009年 2
公表年月2009年 3
対象サービス保育所
対象事業所社会福祉法人 あすみ福祉会 柿の木台保育園
事業所所在地227-0048 横浜市青葉区柿の木台7-5
総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

《園の概要》

 

 柿の木台保育園は、社会福祉法人「あすみ福祉会」の系列園です。母体のあすみ福祉会は主に埼玉県で事業を行ってきました。当保育園は平成2004年に横浜市より移管され、運営してきました。横浜市の保育園運営としては歴史が浅いことと、市からの移管ということで、開園当初は保護者や地域住民の理解をいただくのに苦労してきたとのことです。現在、5年目を迎え、ようやく保護者から安心してまかせられるという信頼を得ることができました。これを受けまして、今後、職員一同、保育の充実を図っていく熱意に燃えています。

  

《特に優れている点》

  

○乳児からの食事に対する細やかな配慮をしています

 

 食事全般でいえば、食材はできるだけ国産のものを使用しています。使う食器も磁器で、さらに、誕生会用のランチ皿も揃えています。そのような環境の中で、保育士は、子どもの好き嫌いを把握して、調理ばさみで大きさを調節する等盛り付けを工夫したり、部屋で炊飯ジャーからご飯をよそい、おなべからは汁ものをよそい、揃ったグループから食べるようにして「適温給食」を実践しています。年長児はある時期からビユッフェスタイルで、自分で好みの量を調節しながら食べることも実践しています。

              

 乳児の離乳食においては、アレルギーの配慮から、園ではじめて口にする食材は避けています。そのためにも、家庭で食べた食材を記入してもらう「離乳食カード」を作り、日々参考にして離乳食を提供し、保護者からも感謝されています。 

 

○恵まれた環境をさらに独自の工夫をして過ごしやすくしています

 

 当保育園は、やや高台に立地していて、周囲は住宅街の閑静な場所にあります。低年齢用の保育室は、家庭の雰囲気をより出したいとの職員の工夫で、コーナースペースを複数設けました。具体的には、静かに絵本が読めるコーナー、ブロック遊びや積み木遊びができるコーナー、さらに、ままごと遊びが出来るコーナー等があります。長時間保育園で過ごす子どもたちに少しでもゆったり出来るスペースを生み出したいという願いです。特に、ままごとコーナーには、手作りの流しのキッチンセット、2段ベッド、テーブルがあるダイニングといった本格的なセットで子どもたちに大人気です。幼児の保育室もコーナースペースにあります。また、廊下の広めのスペースにソファを置いたり、マットを敷いたりして、ちょっとしたくつろぎのコーナーを生み出しています。

 

 また、園庭はとても広く、子どもたちが自由に走りまわれます。園庭の三分の一くらいのスペースを独立して確保するため、数十のプランターで仕切りを作っています。この仕切られたスペースは低年齢の子ども専用に使えるようにしています。春には、この仕切りのプランターに一斉に花が咲きます。とても素晴らしいアイディアです。

  

《さらなる取り組みが期待される点》

  

○計画的に散歩の回数を増やしていきましょう

 

 当園は園庭が広いせいか、子どもたちが自由に動きまわることができますので、園外に出かけることが少ないように感じます。いわゆるお散歩は、近隣のいろいろな人たちとの出会いや小動物や植物との触れ合い等、自然や社会と触れ合う貴重な体験をする目的を持っています。しかも、子どもたちが一定時間歩くことができるような体力づくりにも欠かせません。このように、自然体験や社会体験のほかに、体力づくりや交通ルールを学ぶといった様々な学習の場でもあります。

 

 最近は、不審者や交通事故といったことが決して少なくなく、子どもの安全を考えると、どうしても守る姿勢になりがちです。しかし、保護者のアンケートをみますと、散歩を増やしてほしいという声が結構ありました。今後、職員の子どもに対する安全確保や不審者対策、年齢別のお散歩候補地といった諸々のことを職員会議で話し合い、少しでも多くお散歩活動ができるようにとり組むことを望みます

  

評価領域ごとの特記事項

1.人権の尊重

当保育所の理念は、「3つの願い」という柱の第一に、子どもの健やかな育ちを支援していくことをうたっています。まずは、子どもの最善の利益を優先した考えのもとに行っています。

 

 また、子どもの人権の尊重については、日頃から、職員会議で話し合って確認しています。子どもの呼び名の統一や呼び捨てにしないことは勿論です。職員はお互いに、子どもたちを保育していくうえで、威圧的にならないことや、乱暴な言葉遣いをしないことや、乱暴に接しないこと等も注意しあっています。

 

 子どものプライバシー尊重についても、低年齢児の保育室を複数のコーナーを設けて、プライバシーが保てる空間を作ったり、お漏らしをしてしまった子どもに対しては、他の子どもにわからないように配慮しています。プール遊びの際も、ブラインドを作って、よそから見えないように工夫しています。

 

 個人情報保護については、職員にことあるごとに説明をして、理解を得るようにしています。また、当園は、写真等を駆使した視覚的な情報を多用していますので、掲載の同意書を保護者からとっています。

 

 虐待については、現在受けている子どもはいませんが、虐待らしきものがあった場合は、保護者と個人面談をしています。このほか、児童相談所とのネットワークもあります。

 

 性差については、職員会議で話題にして、日常の保育の色々な場面で男女を区別するようなことのないようにしています。具体的には、呼び名や出席順や遊具の仕分けといったこと等です。

  
2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育室は日当たり、採光もよく、冷暖房、温湿度計、加湿器等設置されています。0歳児室は、沐浴施設、調乳室、午睡室も設置されています。各保育室にはブロックや積み木遊び、絵本、ままごと遊びの3つのコーナースペースを確保しています。用務員さん手作りのキッチンセットやテーブルやいすセット、背の低い木製棚におもちゃや絵本が整理して置いてあり、子どもは自由に取り出して遊んでいます。年度途中でも、子どもの発達に応じて、保育室の模様替えを含めた環境整備をしています。2階の廊下には、ソファや本棚を置いたくつろげるスペースがあります。

 

 園庭は広く子どもたちが十分に走りまわれます。乳児が安全に動き回れるよう、園庭にプランターを数十個並べて仕切りを作っています。

 

 物を作ることが好きな5歳児のクラスでは、それがお店やさんごっこに発展しました。「大きなかぶ」の話がペープサートに発展し「みんなの会」で発表することになる等、子どもたちの発想を大事にして集団活動に取り入れています。

 

 幼児クラスには製作用ワゴンが置いてあり、クレヨン、はさみ等自由に使って製作しています。5歳児のランチルームは食事の時以外は静かに製作できる部屋になっており、他の幼児クラスの子どもも自由に出入りして一緒に製作しています。

 

 幼児の中で縦割りグループを作り、一緒に会食したり遠足に行ったりしています。

 

 食事の時には、乳児一人ひとりのペースに合わせ、保育士がゆったり世話をしています。 5歳児はある時期からビュッフェスタイルで、自分が食べられる分だけをお皿に取り分けます。献立は旬のものを使うようにし、クリスマス、ひなまつり等行事に合わせたり、園の畑でとれた野菜を取り入れたりしています。部屋で炊飯ジャーからご飯を、お鍋から汁物をよそい、揃ったグループから温かいものを食べるようにしています。食材はできるだけ国産を、食器は磁器を使っています。0歳児の離乳食は家庭で食べたことのある食材をベースにしているため、子ども一人ひとりの離乳食カードには、その日使っている食材毎にチェックがしてあります。

 

 午睡時に0,1歳児クラスでは、5分から10分おきに呼吸の有無を確認しています。園外のスイミングスクールに希望して行く子どもには、午睡をさせていません。

 

 トイレットトレーニングは、一人ひとりの排泄のリズムをとらえ、保護者とも情報交換しながら進めています。

   
3.サービスマネジメントシステムの確立

 新入園に際し、保護者に対しては、入園前に園長もしくは主任が丁寧な説明を行っています。その際に、家庭での生育暦や生活の状況、既往歴、健康状態、アレルギーの有無といった、保育園での生活の基になる基本的な情報を児童票に記録しておきます。そのうえで乳児は個別指導計画、幼児では集団の年間指導計画のもとにきめ細かく保育を行っています。そして、指導計画は実践の結果の反省会をもち、その都度、見直しを図っています。保育に必要なマニュアルは基本的には揃っています。

 

 保護者からの苦情に関しては、苦情解決までのシステムを作り、解決までの手順を保護者に説明するとともに、園内に掲示をして周知を図っています。また、第三者委員についても、氏名や連絡先も明示しています。

 

 子どもの健康管理や安全管理については、それぞれマニュアルがあります。健康管理に関しては、保護者に児童健康台帳に記入してもらい、関係する職員に周知しています。また、体調不良児個別表を作成しています。体調不良児は、必要に応じて保護者に連絡してお迎えの有無を確認しています。一人ひとりの健康診断、歯科健診の記録はあり、診断結果は保護者に伝えています。嘱託医とは日常的に連携をとり、相談にのってもらっています。

 

 感染症に関しては、マニュアルを作成し、発生した場合は速やかに保護者に周知しています。O歳児の保護者には、登園の際、生成水で手指を消毒してもらっています。また、保健所の保健師さんが協力的ですので、健康や衛生に関しては、頻繁に相談をしてアドバイスをいただいています。

 

 安全に関しては、緊急時の連絡体制を作っています。そして、月一回の防災訓練や避難訓練、不審者対応等を実施しています。また、地震対策としまして、ロッカーはL字型金具で固定しています。

 

 子どものけがについては、軽症であってもけがをした方、させた方双方共の保護者に報告しています。また、事故報告書には、原因や対応、再発防止等について詳しく記載しています。不審者の侵入防止のために、玄関や園庭への出入り口等には防犯カメラを設置したり、施錠を必ずしています。

 

 このような子どもを守る事故や防犯に関しては、地域防災組織に所属して会議に出席しています。また、学校110番を設置したり、地域からの情報を得られるようなネットワークができています。

   
4.地域との交流・連携

 園庭開放の時に「おはなしシアター」、「ミニ運動会」、「ソングフェスティバル」等を開催したり、保育士が親子のふれあい遊びを指導したりしています。プール開放では水遊びのおもちゃも提供し、遊び方を保護者に見せることもしています。

 

 毎週火曜日に育児相談日を設け園の道路に面した壁に掲示して、随時相談に応じています。 相談内容によって療育センター・児童相談所・青葉区福祉保健センター・各医療機関等関係諸機関と連携をとることがあり、連絡担当者は園長・主任です。園長・主任が不在の場合でも職員がすぐに連絡がとれるよう、関係諸機関一覧表を作成しておくとよいでしょう。

 

 運動会・夏祭りには地域住民の参加を呼びかけています。敬老の日やハロウィンには子どもたちが近隣の商店街やケアプラザに行き喜ばれています。小動物がいて温水プールがある「こどもの杜」には、年長児がお泊り保育を行いました。

 

 地区防犯組織には参加していますが、設立5年目と新しいため、地域の自治会へのお祭りなどの行事にはまだ参加をしていません。今後地域の自治会に参加して、行事を共催して行く等の話し合いをしていくとよいでしょう。

 

  横浜市のホームページや子育てネット、広報誌「子育てひろば」に必要な情報提供を行っています。利用希望者からの問い合わせには、見学できる旨伝えています。その時には、園の方針やサービスの内容について見学者に説明しています。

 

 ボランティアの実施前には、マニュアルを用いてプライバシーの保護や注意事項、ルールを説明をし、終了後は感想を聞いています。

   
5.運営上の透明性の確保と継続性

 園長が、入職時、年度末に服務規定や社会人としてのマナー、こころえなどを話しています。

  省資源については、再利用一覧表が各保育室、事務室にあります。また各保育室ではごみの分別を行い、 夏には朝顔や風船蔓、ゴ-ヤで緑のカーテン事業に参加、またエアコンの設定も冬は20℃、夏は28℃として省エネルギーに取組んでいます。

 園の理念・基本方針は「ほいくえんのしおり」に記載していますし、全職員が携帯しています。また、理念を玄関に掲示して周知しています。

 

 職員には、園長から入職時と年度末に園の方針や管理者としての責任について話をしていますし、年度末には職員間でミーティングを行っています。

 

 懇談会で保護者と意見交換を行っています。その際、新しいことを始める時は必ず説明して保護者の合意を得るようにしていますし、重要な決定事項についても必ず説明しています。 

 

 主任は個々の職員の経験に合わせた指導やフォローを行っていますし、ミーティングやカリキュラム会議などでもアドバイスをしています。

 

 運営に関係のある情報は常に収集し、分析しています。重要な情報は主に法人内の園長会議やインターネットで情報交換されます。また、市の行動計画に合わせて全職員で保育指針の勉強をしています。なお、保育所保育指針が改定されますので、次年度に向けて保育過程および指導計画について早急に全職員で取り組む体制を作っていくことをお勧めします。なお運営については、法人本部で作成した中期計画があります。また、定期的に理事会に園長・主任が出席して新しい取り組みについて検討しています。

 

 法人本部は税理事務所や法律事務所と提携して税や法律の意見を取り入れたり、臨床心理士に相談できる体制があります。

   
6.職員の資質向上の促進

 実習生の受け入れ担当者は主任で、「実りある保育実習を行うために」のマニュアルを用い、プライバシーの保護、園内での子どもたちの生活リズムを守るというルールのため、やってほしいこと、してはいけないことなどの説明をしています。実際の実習指導はクラス担任に任せ、最終日には職員と反省会を実施し、実習全般の反省と、今後のアドバイスをします。職員のスキルアップにもつながっています。 

 

 人材育成は、園長が年1回、面接を実施して「今年1年の保育をふりかえって」「どうしてできなかったか」などを聞いていますが、文章化には至っていません。具体的な評価の検討を望みます。

 

 20年度研修計画があり、経験年数に応じた研修計画を作成してしています。職員は研修計画や希望に沿って法人内研修や横浜市の研修に参加しています。今年度は、絵画指導、障害児研修、危機管理などに参加しています。

 

 非常勤職員も参加してカリキュラム会議を行い、保育内容の統一化と共通化を図っています。非常勤職員の指導担当者は各学年のリーダーで、申し送りの確認や日々の課題の相談ができる体制になっています。 

 

 カリキュラム会議やミーティングなどが開催されていて、サービスや学年の課題について討議していますが、自己評価には至っていません。今後グループごとに反省会を行い自己評価表で点検し、お互いに課題を出し合っていく予定です。経験年数に応じて役割があり、行事などは担当制にしています。

 

 子どものけがや苦情の処理などは最終的な責任の所在は園長と明確にしたうえで、可能な限り職員に任せ、やりがいや満足度向上につなげています。しかし、子どもの状態によって自主的に判断できるようにしていますが、明文化はしていません。今後、明文化することをお勧めします。

  
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