社会福祉法人 真生会 白百合ベビーホーム PDF 印刷 Eメール
 
評価機関名株式会社 学研R&C
評価実施年月平成196公表年月平成19年 10
対象サービス児童(乳児院)対象事業所白百合ベビーホーム
 
総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項)

《特に良い点と思われる点》

 

   子ども一人ひとりに寄り添った養育の実施

 

 施設のスペースは十分にあり、保育室は明るくゆったりとしています。そして各クラスとも、ベッド、食事および遊びのコーナーに仕切られています。保育は2つのクラスに分かれ、入所から退所するまで同じ環境で、継続して過ごせるよう縦割り保育を行っています。

  このような環境の中で、子ども一人ひとりに寄り添った養育を実施して、将来的に社会の

一員として、自立した生活を営むことができる基盤を作ろうとしています。

  これを実現するため、ホーム独自の「家庭支援におけるフローチャート」があり、子どもを支援する養育カリキュラムと、親子関係構築のための支援計画を、子どもや家族の個々の

状況や意向を十分汲み取った上で作成して、自立のための支援を行っています。

 

 子どもの一人ひとりの発達状況については、毎月発行の「白百合ベビーホーム便り」の中で、子どもの様子、子育てのヒントや虐待予防策などを知らせています。また子どもと家族との面会を頻繁に行って、家族のきずなを深める機会を作っています。

 

 

   職員の資質向上のための独自の取組

  全職員が「職務能力開発シート」を作成しています。このシートには職務編成、期待水準、職能レベル、自己目標などを年度初めに記入して、年度末に達成度を主任と施設長が2回に

わたって職員と面接の上確認します。職員は自己の目標の達成度を振り返り、次年度の目標につなげることで、能力の向上が期待できます。

 

 昨年度は7つのQC活動(Quality Control)サークルを立ち上げて、職員は必ずいずれかのサークルに属しています。サークルではそれぞれ身近な問題を取り上げ、1年間の成果をまとめて、発表会も実施しています。また成果とは別にこの活動によって、職員の問題意識の向上が図れたこと、お互いに意見を述べ合って問題を共有できたこと、さらに成果をまとめる能力が向上したことなど、派生的な効果を生んでいます。今年度も引き続き実施する予定です。

 

 

   第一次中期事業計画(平成18年度~20年度)の策定

 

 中期事業計画が策定されています。施設としての基本方針、重点的な取組課題および各部門の目標などを明示し、これによって全職員が施設の方針を周知し、意識の統一を図っています。またこれと平行して、年度ごとの事業計画と事業報告を作成しています。

 

  

《今後の取組に期待したい点》

  

   地域社会への更なる貢献の促進

 

 事業計画にも地域の子育て支援の拠点を目指すとありますが、現状では十分とは言えません。実現に向けて、例えば、乳児院の専門的な知識を生かした子育て支援や虐待防止および虐待対応に関する講習会の開催など、具体的な計画の策定を期待します。

 
評価領域ごとの特記事項
   人権への配慮 

 施設の理念や基本方針は、子ども一人ひとりの生命の尊さと、それぞれの人格を尊重したものになっています。

 

 職員は、子どもに対して不適切な言動があった場合は、主任保育士に相談したり、職員会議の場で話し合ったりしています。守秘義務については、職員をはじめ実習生やボランティアの人々に対して十分説明しています。

 

個人情報の取り扱いに関しては、法人としての「個人情報保護規定」できめられています。個人情報の記録ファイルは事務室の施錠のできる書庫に保管しています。

 
  利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援

入所に際して、児童相談所の意向、家族の面接および子どもの観察を行い、子ども一人ひとりの状況を児童票に記録します。これを基に調査を行い、子どもの発達状況に応じた自立支援計画を作成。さらに養育プログラムを作成して養育にあたっています。

 

 子どもの健康管理は、看護師、栄養士および担当の保育士によって行われます。体温を計測し、ミルク、食事およびおやつの摂取量などを、毎日健康表に記録しています。

 

 2週間に1回の嘱託医による往診や子どもの健康診断を行っています。子どもの発達状況や健康状況は、母子健康手帳に記録して保管しています。

  子どもと家族の面会や外出は、家族再統合には不可欠な

ものとして、注意深く見守りながら支援しています。

 
  サービスマネジメントシステムの確立

 毎月子ども一人ひとりの養育カリキュラムを作成して養育にあたっています。さらに子ども一人ひとりの様子を把握するための、毎日の生活記録があります。乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のための呼気チェックを行い、それもこの生活記録に残しています。

 

 子ども一人ひとりに「食事摂取・嗜好状況個人表」があり、好んで食べた食材や嫌がる食材について個別に対応を図っています。

 

感染症発生時に備えて、病児を隔離する部屋を別に用意し、感染の拡大を防ぐ体制を整えています。

 

アレルギーのある子どもについては、嘱託医の指示に従って、適切に対応しています。被虐待経験のある子どもについては、必要に応じて精神科医や児童相談所とも連携を図って対応しています。

 

 災害時の避難訓練として、定期的に地震および火災訓練を行っています。このほかに夜間や消防署立会いの訓練なども行っています。

 

 施設の入り口の扉は、オートロックになっていて、インターホンで確認して開錠しています。また敷地内には、複数の監視カメラが設置されています。

 

家族からの要望や苦情の申し立てについては、第三者委員の氏名と連絡先を事務所の窓口の横に掲示しています。さらに意見箱もその近くに設置しています。

 
   地域との交流・連携 

 地域社会との交流は、積極的に行っています。自治会に属し、盆踊りなどには子どもを連れて参加しています。また地域の福祉活動に、施設の多目的ホールを提供しています。

 

 地域の福祉活動の会合に施設長が出席し、乳児院の活動の紹介や、子育てに関する話などをしています。

 

 毎月発行する「白百合ベビーホーム便り」を自治会や区内外の関連機関に広く配布しています。

 

 実習生の受け入れは、計画的に行っています。主任が受け入れ窓口となり、実習指導日程表に従って対応しています。

 

 ボランティアの受け入れは、積極的に行っています。特に被服整理(洗濯物たたみや被服修理)および保育ボランティアとして、地域の人々が毎週定期的に支援しています。このほかに遠足の付き添いなどの支援を受けています。

 
  運営上の透明性の確保と継続性 

 事業者および職員の守るべき法や規範は、法人の管理規程、就業規則および倫理綱領などにきめられています。これらは、全職員に説明の上周知しています。

 

経営および事業運営に関する方針は、第一次中期事業計画(平成18年度~20年度)としてまとめられています。

 

この中で施設長の役割、各部門の役割および職員体制などを示しています。これと平行して期毎の事業計画および事業報告がまとめられています。これらは、職員および関係機関などにも配布し、公表されています。

 

施設長は事業経営に関係する情報を、新聞や関係する団体から積極的に収集しています。これらは施設内の掲示板に掲示し、重要な情報は施設長が職員に説明しています。

 

環境への対応については、ゴミの減量化、リサイクル、省エネの促進および緑化の推進に取り組んでいます。

 
  職員の資質向上の促進 

 全職員が職務能力開発シートを作成しています。このシートは期末に主任と施設長が職員と面接をして、達成度の評価と次年度の目標を設定します。

 

 外部研修は職員の希望を優先し、参加しています。

 

 テーマごとに班を分けて検討し、改善点を明らかにするQC活動があります。今年度は職種ごとに班を分けて実施する予定になっています。これによって、職員における問題の共有と問題意識の向上に期待しています。

 

 リーダー会議、クラス会議、看護部会議、給食会議、洗濯部会議および事務所会議などの部門別会議を定期的に開いて、専門知識の質の向上に努めています。

  日常の子どもへの対応は、職員の自主的な判断で対処できるよう権限を委譲し、責任も明確にしています。
 

 評価詳細(PDF 645KB)