《施設の概要》 昭和22年「社会の再建は、婦人の手で!」というスローガンを掲げた初代理事長を中心とする横浜在住の婦人有志により、「横浜婦人クラブ」が設立されました。昭和29年、身寄りのない乳児を保育するグループとして出発し、その後昭和34年に児童養護施設「誠心学園」、昭和44年に保育所も開設されました。平成13年に改築され、乳児院も「デュナミス」と改名をしました。保育、児童養護、乳児院の3施設を併設し、都市部のニーズに対応した複合型施設として、住宅地の静かな環境の中に建てられています。預かる児童の年齢が3施設とも0歳から学齢前までという特色のもと、給食や研修等を共通で行える利点が生かされています。乳児院の定員は24名で個別担当制の年齢別保育を行っています。 《特長・優れている点》 ○マニュアル類等の充実 シフト上の5種別の時間帯別に分けた業務マニュアルや受け入れ、引継ぎ、退所、電話対応、面接対応、外出・外泊立会い等が細かい内容まで整備され、ケース記録一式等も整い、サービスの標準化が図られています。今後、業務マニュアル及び乳児デイリープログラムに授乳に関しての記載があるとよいでしょう。 ○保護者や児童相談所との連携 子どもの日常生活の状況は面会時や、毎月の園便りで子どもの近況を伝えています。風邪などの体調の変化時には電話連絡をし、家族が安心できるよう丁寧な対応がされています。児童相談所ともカンファレンスや小まめな連絡等により、日常的に密な連携が図られています。 ○ていねいな記録や情報共有 保育日誌や保育記録、連絡ノート等、何重にも細かく記録をし、日常の引継ぎをはじめケース会議や家族との面接等でも、情報共有が図れるよう、ていねいに記載されています。保育士の努力と子どもに対する個別的処遇への配慮が高いことが、記録からもうかがわれます。今後、授乳量を個人記録へ転記しておくとさらに良いでしょう。 ○食育計画の充実 栄養士が「食育事業計画実施・評価」ファイルを作成し、毎月の子ども一人ひとりの目標や残滓、配慮など詳細に記録し、栄養士と食育担当保育士がよく連絡し合い、献立の中に反映させています。また、子ども達とスーパーに行き食材に触れさせ、購入したものを調理実習の材料に使ったり一緒に調理を行ったりしています。給食では「食の安全」にこだわり国産の食材料を使用しています。栄養士も保育会議へ出席し、日常保育内容の把握ができると、更に良いでしょう。 《工夫や改善が望まれる点》 ○子どもにさらなる声かけ等を シフト制で勤務内容が決められており、職員は保育等の業務をこなすのに集中してしまっていますが、オムツ換え、授乳時、入眠時等に、子ども達に対してゆったりと沢山の優しい言葉かけ等があると良いでしょう。また、大広間でも玩具や本等、遊びたいものを取り出せる環境整備やおもちゃで遊びこめる配慮を期待します。 ○感染症予防等の環境づくりを 衛生管理感染症マニュアルが作成・周知され、嘱託医による健康管理研修が行われ、職員は少しでも病状が出ると子どもたちを頻繁に主治医に受診させて配慮しています。しかし、今後、感染症予防広がり防止のためには、大きな一室での病児との同居状態を改善し、何らかの仕切りを設ける等、安静と感染症予防のための環境づくりの工夫をすることが望まれます。 ○職員個々のスキルの把握や外部からの技術評価等の導入を 要望や満足度を把握できる個人面談を実施し、個々の能力を把握し、職員の経験・能力や習熟度に応じた役割の明文化等が望まれます。また、援助技術のレベルの確認・チェックを定期的に行うことが望まれます。個々の職員の技術レベルについて、外部からの評価と指導を受ける仕組みを作ることを期待します。 ○保育技術の専門性の獲得を 20代前半の保育士が多く、夜勤も厭わずに仕事し、乳児院に誇りを持って働いています。このエネルギーを損なうことなく、保育技術等についての的確な指導がなされれば、子ども達への関わり方が大きく変わると思われます。次年度は、主任の配置が予定されています。主任をスーパーバイザーとして育成すると共に、個々の職員の能力や経験に合わせた的確な助言や指導ができる教育機能や支持機能を有効に働かせることを期待します。 |